2010年3月11日木曜日

続けてクラウド絡みの本。お勧め。

楽天技術研究所 所長 森正弥氏の「ウェブ大変化」を読んだ。



多様化する「こちら側」、
大規模化する「あちら側」、
「知」と我々自身の変化、
そして「パワーシフト」
という構成で、「ITが苦手な方にも読んでもらえるように」と、この業界では一般的なところにもあらためて触れつつ書かれているが、「こないだのデブサミで出てきたばっかりの話じゃん」といったように現時点で最新の情報も比較的詳しく記載されていて、カバー範囲の広さと洞察の深さと説明の上手さがハンパない。

確かに「こちら側」から「あちら側」へアクセスする手段(=端末)は非常に多様化しているし、先行で走っている「あちら側」の大規模化はものすごいことになっているし、それらを掛け合わせた時に「知」の定義、および扱い方は当然変わってくるし、それによって「個」のもつパワーが大きくなる、ということが、実にわかりやすくまとめらている。
前述の角川本と続けて読むと、またひとつ、光の筋が見えてきそうな、そんな気がする。

また、印象的なのは、パワーシフトが起こった結果として以下のように語っている。

『フラット化する世界』で語られたとおり、フラットな世界で個人として栄えるには、自分を「無敵の民」にする方策を見つけなければならない。無敵の民とは、「自分の仕事がアウトソーシング、デジタル化、オートメーション化されることがない人」を意味する。それはつまり、その人の個人としてのオリジナリティを開花させることに他ならない。
可能性は等しく誰にも開かれているが、その恩恵を受けるには、オリジナリティに目覚めることが必要だ。アイデアを持つこと、自分自身のオリジナリティを発揮することが大事だ。


これはまさしく、クラウドという環境がIT業界全体を覆ったとき、まさに今現在「目の前の開発の仕事」をしている多くの「システム開発会社の従業員」への警鐘だと思う。
だって、現に今ボク自身が「無敵の民」となるために必死に考えているし(笑)。

今後のことを考えるために知っておくべきことがコンパクトにまとまっているし、1,500円と安いので、とてもお勧めです。





蛇足:
多様化する「こちら側」、iPadに対抗して(?)、HPからも出るんですね。
http://journal.mycom.co.jp/news/2010/03/10/025/index.html

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