2010年12月21日火曜日

iPadのある生活を始めました。

「え!今さら!?」

はい、今さらです。
5日前に、遅まきながら念願のiPadを購入しました。
「買ったものの、いまいち使えん」という声も一般にはよく聞かれるようですが、「何のために使うのか」をよく考えないまま買っちゃったら、確かにちょっとツライかもね(ゲームするだけだったらちょっと高いしね…)。

ボクは基本的に常時スタンバイしている情報収集端末という完全に割り切った用途で使うことを想定していたので、使い心地はすこぶる良いです。

いつもノートPC(Let's Note)を持ち歩いているので、資料作りや長めの文章を書くためのLet's Note、隙間時間にニュースやメルマガ等をブラウズするためのiPad、という住み分けをしています。

つまり、ざっくり言うと
・iPad=インプット用端末
・ノートPC=アウトプット用メインのIN/OUT両用端末
という用途で使い分けています。
(「いったいそんな隙間時間にまで、何見るの?」というツッコミもいただきそうですが、アウトプットの質はインプットの量に比例すると考えているので、良い!と思ったコンテンツや情報はガツガツ浴びているのです)

なので、Gmailと、Googleリーダーと、ニュース/BlogがSafariで観れたらそれはそれでもう十分なんですが、さすがにそれだけだと何か使いこなしてなさそうでカッコ悪いのでw、アプリもいくつか整えました。


iPadに入れた普段使いアプリ


上述の通り、アウトプットはLet's Noteで行うのでKeyNote等のアウトプット系アプリは入れてません。あくまで快適な情報収集環境を揃えることに注力。なるべく、いや、必要に迫られるまでは断固無料で(言うまでもなく、真に快適な環境を整えるにはお金出した方がいいよ)。
※以下にリストしたのはすべて無料(2010年12月現在)です。

基本、5月の時点でこんな素晴らしいリストを作ってくれている方の受け売りです(キッパリ)。

Evernote

iPad持っててコレ入れてない人っているんですか?
名刺をスキャンしてぶちこんだり、地下鉄の路線図PDFをぶちこんだり、仕事用の自己紹介資料をぶちこんだりしておくと泣きたくなるぐらい便利


Dropbox

(再送)iPad持っててコレ入れてない人っているんですか?
これがあるから、iPadは16GB端末にしました(本当は32GBの予定だったけど、在庫切れだった)。
どうせiPadで映画とか観ないし…。
というか、Dropboxがついに1.0リリースしましたね。素晴らしい勇気に乾杯!


Jumbo Calculator

営業マンの必携アイテム(笑)、でっかい電卓。



はてなブックマーク for iPad

言わずと知れた「はてブ」。ざっつおーる。


Adobe Ideas

手書きでお絵描き。いい感じに補正されるのが気持ちいい。描いたものをそのままメールできたりするので、打合せでパパっと描いたアイデア等を共有したい時に使えそう(まだちゃんと使ったことない)。



Wikipanion for iPad

iPad用のWikipedia。左ペインに目次、右側に本文が表示されて非常に使いやすい。



CloudReaders

多機能ブックリーダー。PDF等を開く際に。


そら案内 for iPad

天気予報アプリ。見やすくて使いやすい。



iPadに入れたゲーム系アプリ

仕事ばっかりに使うのは当然モッタイナイので、いくつか遊び道具も。

JamPad

我が家は、奥さんがピアノを弾けるのでなかなか遊べます。もちろん、弾けなくてもそれなりに楽しい。



Air Hockey

テレビCMでもやってた、アレです。


Harbor Master

船を無事港にナビするんですが、なんなんでしょう、単純なほどドキドキする、みたいな。結構パニくって「ウヒャヒャヒャ!」とか言っちゃいます。


Eyewitness

写真ニュースアプリ。プロのカメラマンが撮った写真が1日1枚届く。カメラマンの『撮影のポイント』の解説付き(英語)で、「なるほどこれがプロの視点か・・・」と鋭い目で知った風に見ながらカッコつけることができます。写真が趣味の人にはお勧め。



Pocket Pond

池の中を鯉が泳ぐ、いわゆる癒し系アプリ。当初、完全にバカにしてましたが、気付けば仕事中、ノートPCの横でずっと鯉を泳がせて、たまにピチョンと水面をイジって戯れてました…。



その他、愛用しているサイト

アプリというわけではないけど、Safariでブックマークしているサイト。

check*pad

とてもシンプルながら(故に?)使いやすいToDo管理。
ボクは「今日やること」の他に、プロジェクト別のリスト、買う本リスト、作りたいアプリのリスト、調べものリストなどを作って管理しています。
http://www.checkpad.jp/


(誰得)歩行者用信号

しつこいですか?
いや、iPadでもちゃんと動いたんで嬉しくて(笑)。
誰かを急いでこっちに呼びたい時に使おう



まだまだ増えていくと思いますが、まずはこれぐらいから。
皆さんもお勧めアプリがあったら出し惜しみせず、是非(完全に出遅れたボクに)教えてください。

2010年12月19日日曜日

【読書】ビジネスで一番、大切なこと

ビジネスで一番、大切なこと 消費者のこころを学ぶ授業
「読む本リスト」の一番最初にリストしていた本書。最近すっかり読書から遠ざかっていたが、ようやく時間が作れたので一気に読んだ。

ボクの中で「良書」というのは、
(1)読後に胸がザワザワする、思考したくなる、試したくなる
(2)感覚的に理解していたことが、明確な言葉で説明されている
(3)何度も読み返せる
を満たしている本なんだけど(抽象的でスイマセン)、これら3つを軽々と達成しているこの本は間違いなくボクにとって「良書」。

タイトルからすると一見、「日本でいちばん大切にしたい会社」のように「感動ストーリー」的な自己啓発本系のノリを思わせるが、さすがハーバード・ビジネススクール教授、中身はマーケティングについて非常に良く整理された「マーケティング脳を再構築」するための非常に刺激的な内容。

本書はハウツー本ではない。現代のビジネスパーソンに必要なのは、斬新な指針ではなく、斬新な考え方だ。(P.20)

とあるように、この本は「答え」を示すのではなく、あくまで「視点」と「アプローチ」をソリューション案として提示してくれている。
(いくつかブログ上での書評を見てみたけど、ここを理解せずに短絡的に読んでしまったような書評が多いように感じる)


冒頭、いきなり気付かされる。
ビジネスの成功の要は、競争力にある。競争力とは、競合他社といかに差別化できるかである。ところが、その差が細かくなりすぎて、多くの消費者がいぶかしく思う段階に達すると、ある日突然、差別化は無意味になる。(P.16)


例えばあるカテゴリ(車、デジカメ、ミネラルウォーター等々)の製品を「価格」「機能」などの評価軸で比較すると、当然製品ごとに強み、弱みのデコボコ(差別化要因)が出来る。このデコボコを見た製品のマーケティング担当者が反射的に、そして自然にとる行動は「弱み」の強化だ。これはボクも当然のように経験している。ところが、各社がそれぞれに「弱み」の強化を行うことによって、カテゴリ内の製品は均質化してしまい、結果上記の通り差別化が無意味になってしまう。
10年前、ボルボは実用性と安全性で知られており、アウディはスタイリッシュさで人気があった。最近では、アウディは安全性テストでボルボをしのぎ、ボルボの広告はスマートな走りを演出している。(P.31)

なるほど確かに、成熟を迎えたカテゴリの製品と言うのはどれも似たり寄ったりだ。より良くしようとするほどにこうなってしまうとは、なんたる皮肉。


企業は消費者の望みに応えるべくベストを尽くし、次の2つの方向で製品を進化させる。「付加型」(機能の追加)、そして「増殖型」(選択肢の追加)。しかし、そうすることによって消費者にとっては細かな違いがわからなくなり、結果、製品としてではなくカテゴリ全体としてボンヤリと捉えるようになり、消費者によっては「どれでもいいや」という状態になってしまう。
『消費者によっては』と書いたが、ここではキャズムを引き合いに出し、
これと対を成すものとして、過度に成熟したカテゴリーから生まれる多すぎる選択肢に人がどのように対応するかについても、セグメント化の枠組みを作れるのではないだろうか。(P.70)

として、以下のように分類している。
①知識豊富な“カテゴリー通”
②目ざとい“買い物上手”
③関心の薄い“現実主義者”
④いやいや関わる“不本意な人々”
⑤理屈抜きの“熱心な愛好家”

この視点、まさに上記(2)の「感覚的に理解していたことが、明確な言葉で説明されている」と思える部分。この時点で、一気に最後まで読み切ることを決意した。

その後、これらを前提に「リバース・ブランド」、「ブレークアウェー・ブランド」、「ホスタイル・ブランド」と名付けられたアイデア・ブランドについて、具体的なケーススタディを交えながら説明される。

・世の流れの逆を行くリバース・ブランド:グーグル、IKEA等
・既存の分類を書き換えるブレークアウェー・ブランド:AIBO、スウォッチ等
・好感度に背を向けるホスタイル・ブランド:ミニクーパー、レッドブル等

これらのケーススタディは非常に印象的に描かれているし、とても勉強になる。


最後は、「大事なのは考えること、アイデアを潰さないこと」をテーマに、まとめに突入。
差別化の取り組みにはイノベーションが必要で、そのことが私たちをひるませる。必要なのは、エンジニアが行うような技術的なイノベーションではなく、発想のイノベーションである。
(中略)
これらのアイデア・ブランドのすべてにおいて、差別化は「物事を抜本的に新しい方法で行うことは可能である」と考えるところから出発している。差別化はイノベーションによって始まる。そして、イノベーションは実に多くの様々な方法で実現できる。(P.162)

先に多くのケーススタディで学んで脳ミソが柔らかくなった僕らは、それを理解できる。

一貫性のない人間(消費者)に、常に向き合い、取り組み、その取り組みを通して人々に伝えることが大事。そう締めくくられる。


冒頭にもある通り、この本は「答え」ではなく、「考え方の多様性」を提示しているので、アイデア・ブランドについても、それは完全ではなく考え方の一つ、と紹介されている。
頭が凝り固まってしまったような時にぜひまた読み返したい、ヒントを与えてくれる本だった。


読後、一部だけ違和感が残るとすれば、本書のタイトル。もっと別のタイトルの方が良かったんじゃないかと思うが…。



(おまけ)
先述のボクの「良書の条件」で、特に(2)について。
「そうそう、そうなんだよ」ということをズバリ単純明快に説明している本(著者)というのを、ボクは心の底から尊敬する。「そんなの、わかってたよ」と読後に思わされた時に、しかしそれをここまで彩り鮮やかな背景で説明できない自分と、それをサラリとやってしまう著者との間の思考力、想像力、分析力、文章力の差に圧倒されてしまう。「わかっている」ということと「わかっているつもり」の差、とも言えるだろうか。
例えばドラッカーなどもその最たるものだと思う。多くの人が何となくわかっているようなことを、圧倒的な説得力をもって明快な文章にしているわけだが、この差(文章にできているか、できていないか)はとてつもなく大きいと思う。
その意味では、本書も(テーマは絞られているはいるが)その語り口はドラッカーに匹敵するほどのものだと感じる。次回作も期待。

(さらにおまけ)
ドラッカー、と書いてしまったのでさらにおまけ。
ものすごく意外だったんですが、ドラッカーの本、口述筆記だそうです。
「まず自分で大枠を考えてしゃべる→それをライターが書きとめて原稿にする→できあがった原稿を一通り読んだ後、いったん全部捨てる→また新しく構成を考えて最初からしゃべりなおす→ライターがまた原稿にまとめる→それを読み、再度捨てて、一から語りなおす」・・・こうして同じことを3回繰り返して、ようやく本になるんだとか。(パーソナル・マーケティングでコラム的に紹介されています)
あれだけ構成とロジックがしっかりしているのには、やはりもの凄い労力が注がれているんですね。

2010年12月16日木曜日

【ネタ】あまりにあんまりなケータイサイト

仕事で、とあるケータイサイトをイジくる機会があった。
正確にはイジくるというか、ケータイサイトのテストをしたんだけど、初めて見たそのケータイサイトに衝撃を受けた。

語彙力の欠片も感じさせない表現をすれば、「ちゃんとした会社のちゃんとした公式サイト」なんだけど、それはあまりにちゃんとしてない、あんまりなサイトだった。

ケータイサイトは、そもそも小さくて使い難い画面を何とかするためにアクセシビリティの観点からリンク等にアクセスキーを設定するのが普通(今さらすいません)。

[1]トップ
[2]マイページ
[3]最新情報
[9]画面上へ
[#]戻る


こんな画面の時に、aタグに accesskey="1" をセットしておけば、ケータイで「1」ボタンを押すとトップへ移動できる(ホント今さらすいません)。

で、この度ボクが見たサイト(メニューは適当に置き換えてます)。
[1]トップ
[2]マイページ
[3]最新情報
[4]ニュース
[5]メール
[6]カレンダー
[7]天気
[8]地図
[9]ショッピング
[10]掲示板
[11]ログアウト


・・・?

「10」て!w
「11」て!ww
どうやって押すのさ!www



いつかこのアクセスキーが有効になるような数字ボタンを持つケータイが登場するんでしょうか…。
だとしたら、相当な先見の明です。
か?

2010年12月8日水曜日

【どうでもいい話】システム開発現場の風景あるある

オフィスの自席でプログラム書いてると、




集中するほどに、



だんだんこうなりますよね。



ズラっと一列、この姿勢で並ばれたりするとなかなか壮観です。


今の現場の椅子はこんな感じで背もたれがグイーンと、でも適度に跳ね返してくるんで、ついつい。
Bauhutte (バウヒュッテ) オフィスチェア BM-38 Maglia ハイバック メッシュチェア 上下左右可動式アームレスト ランバーサポート付


でもこの姿勢、激しく腰を痛めるのでやめましょうね。俺。


経験上、腰痛対策にはバランスボールが一番。
以前の職場では1年以上バランスボールを使ってましたが、その間、腰痛持ちのボクですら腰痛がなかった(なんか冗長)。

オフィスで使うなら最低でも58cm以上、65cm辺りがお勧めです。
ALINCO(アルインコ) エクササイズボール(65cm) EXG025



それにしても忙しいほどにどうでもいい話をしたくなるのはなんでだろうなぁ。

2010年12月1日水曜日

切手を買って感動してマーケティング成立

急ぎ書類を印刷して送付する必要があったので、仕事現場に向かう前に自宅のプリンタで印刷して封筒に入れた。切手は自宅に常備していないので、仕事場近くのコンビニでお昼休みにでも買って、その場で貼ってから出すことにした。

仕事現場のすぐ近くにサークルKサンクスがあるのはチェックしてあったので、お昼休みに封筒を手に持って行ってみた。その店舗は見るからに狭く、間取りのせいかコンビニにしては全体的に暗い印象で一度も行ったことはなかった。
入ると幸い店内にお客さんの姿はまばらで、レジも空いていたので直行して、高校生ぐらいの息子がいそうな女性店員さんに「80円切手はありますか?」と尋ねた。店員さんは「ありますよ~」と手際よく80円切手のシートをバインダーファイルから取り出した。そして、ボクが手に封筒を持っていたのをいつの間にかさりげなくチェックしていたのか、何も言ってないのにシートから80円切手を1枚切り離し、そのままレジ台に置いてある切手貼り用のスポンジの上にその切手を置き、そこでようやく、「80円です」と。

つまり、「いま手に持っている封筒に今すぐ貼って投函するために切手を買いに来たんですよね?さぁどうぞ、後は貼るだけです」という状態になっているのである。

「なんて気が利く店員さん!」
と、なんだか嬉しくて思わず微笑んでしまった。いや、実際に表情として微笑んでいたかどうかはわからないけど、間違いなくその時、心は微笑んでいた。

小銭を持ってなかったので1,000円札を渡し、スポンジの上から切手を取って封筒に貼り終える頃に自然にお釣りを渡してくれる。あまりに自然な気の利いた動きに、それが普通なのかもしれないけど、でもちょっと感動すらした。


コンビニの店員さんと言うと、良くも悪くもマニュアル化された動きが普通で、何ならボクらもちょっとその無機質な対応に場合によってはホッとしたりするところもあったりするわけだけど、一方で、田舎のコンビニの気さくに喋りかけてくれるオーナー店長のオッチャンとか、お釣りを渡す時に手をぐっと握ってくれる女子とか(笑)に心和むこともまた事実。

感動は「事前の期待とのギャップ」によって生まれる、というのはマーケティングをかじったり、イベント企画好きな方はよくご存じかと思うけど、まさしく今回はこのギャップによって、感動と言うと大げさかもしれないが、確かにボクはハッピーな気持ちになった。
そして、この1件によって、「駅から現場までの道中に3つほどあるコンビニの中で、今後はこのお店を使おう」とボクに思わせる・・・つまり結果としてマーケティングに成功にしているのだ。


田舎のオッチャン店長や、手を握ってお釣りを渡してくれる店員さんの例は、「コンビニ店員は無機質なもの」というお客さんの意識に対して「人間味ある店員さん」という部分のギャップがホスピタリティの面に訴えかけるし、今回のサークルKサンクスでは「店員はマニュアル通りに動くもの」という意識(事前期待)に対して「先読みして適切にサービスを提供してくれた」、というギャップが感動を生んだ。


基本だけどやっぱり「事前の期待」を把握して、「常にそれを超える」ことがとても重要だと実感。
逆に「すごいことが出来ます」と宣伝しておいて「実際には大したことなかった」となると、ユーザーは「裏切られた」と感じて最悪な評価になるわけだけど、ついやっちゃいますよね、これ。
だって何とかお客さんの目に留めたり気にかけてもらおうと思ったら「出来る限りよく見せよう」と意気込んでしまうのが普通ですから…。
そこをうまくやるのが口コミマーケティングとかソーシャルなマーケティングになっていくんでしょうが、元来コントロール出来ないものをコントロールしようとするんだから、だから、なかなか難しい。最初の設計とブレない指針、マメなアプローチ。これ大事。

どうやって知ってもらって、どうやって感動を生むか、ここのバランスは本当に難しい。


なんだかんだ書きましたが、何よりもまず、自分も人に感動を提供できるように頑張らなければ・・・と自身を戒めている毎日なのであります。頑張ろ。