2010年5月22日土曜日

閑話休題:「忙しい」

突然ですが、ボクはなるべく「忙しい」と言わないようにしています。
(よっぽど理解し合えている人や、心を許せる家族は除く)

昔は結構言ってました。いや、勲章のごとく頻繁に言ってました。
でも、途中から自然と言わなくなりました。

例えば「今忙しいですか?」と報告や質問等をもってきた後輩には、
「すげー暇。暇で死にそう。いいところに来てくれたわ~」
と(相手のモチベーションを下げない程度のテンションで)応えます。

報告や質問はいつ何時でもきちんと内容を聞いてみないと、実は今の自分のタスクより断然優先度が高いことだって十分にあり得るからです。
そして「報告しやすい空気」を提供した方が、重大な事項含め情報が早く集まりやすい、と昔の上司を見ていて思ったからです。
(と言いつつ、結構眉間にしわ寄せながらPCに向かっていることが多いことは自覚しているので、「報告しやすい」空気には程遠いんでしょうけど・・・)

ちょっと話の筋が逸れたので、「忙しいと言わない話」に戻します。

結局、なぜ言わなくなったのかな~と考えてみると、仕事に対する意識の変化が大きいのでは、という一応の結論にたどり着きました。

昔、頻繁に「忙しい」と口にしていた時。
「仕事」というものは例えば「この納期までにこれを仕上げなければいけない」とか、「この話を通すためにあそことあそこにネゴって調整しておかないといけない」とか、基本的にタスクをこなすことを仕事と考えていて、そのタスクは当たり前のように目の前に現れてくるからそれをこなし続けるのが大変。で、「忙しい」。

でも、いつの頃からか、「仕事」というのは決してタスクをこなすことではなくて、社会にとって有益なものを生み出す活動なんだ、ということを意識するようになってからは、とてもじゃないけど「忙しい」なんて言ってられない気持ちになった。
社会に有益な活動をしようと思うと、程度にもよると思うけど基本的には時間がいくらあっても足りないのが当たり前で、「忙しい」とかそういう次元じゃない。いくら活動したって足りないのである。
しかも世の中には「いったいいつ寝てるの?」と思わせるほどに圧倒的なアウトプットを出し続ける人がいて(例えば売れっ子芸能人なんてまさにそうだと思う)、その人たちを見てたら「忙しい」なんて恥ずかしくて言えねぇ。


まぁ、簡単に言うと、仕事を「降ってくる」と思うのか「取ってくる」と思うのか、の違いでしょうか。

ボクがとにかく「忙しい」を連呼していたのは、プログラマーやらSEをやっていた時代。恐らくこの時が一番激しい。
そして5年ほど前、営業マーケ職へ転向してからは、あまり自ら「忙しい」とは言わなくなりました。
単純に、「忙しい」と言ってると「自分に能力がない」と声高らかに宣言してしまっているような気がしたから、というのもありますが。

別に「プログラマーやSEは仕事を降ってくるものと思っている」と言いたいわけではもちろんなくて(そうじゃない人もたくさん知ってるし)、自分自身の場合、この職種による傾向が非常に強く、そしてこの意識の変化は今思えば随分と大きな出来事でした。

SEをやっていた時、新人に向かって「自分を社長だと思って仕事に臨め!」なんて偉そうなことを言いつつ、その片方で自分自身は「仕事は降ってくるもの」と思ってたんだから、いやはや何とも恥ずかしい話です。

もし同じようなことを後輩に言っているサラリーマンの方がいらっしゃったら、どうか十分、お気をつけください(笑)。



さて、7月からは環境も変え、それこそ「忙しい」なんて言ってられない状況になると思います。
というわけで、ボクが「・・・忙しい」と呟いていたら、その時は本当にヤバいんだな、と思って優しくしてあげてください(笑)。

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