2010年9月27日月曜日

【愚痴】必要以上のキレイさにコストをかけるのは無駄

受託開発案件だから仕方ないんだけどね。
だけど、ねぇ。

今日、開発ルームから聞こえてきた声。

「無駄なことだけど、ちゃんとやるんだよ!エンドユーザーはこういうところを気にするんだよ~」
とメンバーを説得する開発リーダー。

何かと言うと、「Excelで作った画面設計書のオートシェイプ内の文字位置が微妙に揃っていない部分を、キレイに揃うように修正する」こと。

別に位置が上だろうが下だろうが意味は通じるし、表示する画面そのものを表しているわけでもない(要は「吹き出しコメント」)からまったく大勢に影響はないんだけど、今回のエンドユーザーはそういうのを気にするからテマヒマかけて直さないといけない、とのこと。

ドキュメントを整備していくことはとても大事だけど、「要件を正しく伝える」という『ドキュメントとしての目的』を果たしている以上、必要以上に「キレイさ」になんかコストかけなくていいんじゃないかなぁ、と心底思います。開発リーダーもそこは重々承知の上で、でも「仕事だから」と割り切ってメンバーの指導にあたっているわけですが。

ですが。

なんか、せっかくある「開発力」をこんなことに使っている(=例えば今回の例のようにエンドユーザーが本質的じゃないところばかり気にしている)限り、どこにも勝てない、というかポツンと置いていかれる気がします。


政治外交的にも死亡同然の日本(いやー、あれは間違いなく今年一番の驚愕事件)、いつまでもこんな調子だと本気で沈むなぁ。ちゃんと英語しゃべれるようになっておかないとなぁ。

2010年9月24日金曜日

新しい開発現場に突入する際の鉄則10か条

お客さん先に常駐して仕事をするSEの場合、数か月、1年、長くても5年ぐらいで開発案件を渡り歩くのが常だと思いますが、ボクも今年フリーになってから久しぶりにSEあるいはPGとして、まったく知らない開発現場に入ることが続きました。
いずれも既に開発工程がある程度進んでいる中での参加なので、「開発プロジェクトに外部から途中参加する」という前提のもと、ボクが意識していることを10コ程にまとめて書いてみようと思います。
フリーで仕事されている方にはどれもこれも「当たり前」な話ですが、フリーだろうと会社員だろうと、SE職の方にはいずれも当てはまることかと思います。特に若手の方の参考になれば幸いです。


『新しい開発現場に突入する際の鉄則10か条』
■業務に対する理解
(1)業界に対する事前知識の仕込み
これは事前準備の話。なるべく早くプロジェクトメンバーやエンドユーザーの話している内容についていけるようになるため、これから携わるプロジェクトの業界については書籍やネットで調べ、「常識」の下準備。ボクの愛読書は何度か紹介してますが、コレです。
ITエンジニアのための【業務知識】がわかる本 第2版

(2)不明用語を洗い出して確認する
プロジェクトに入ったら、既に作成されている要件定義書や設計書、関連資料等を読み込んで、不明用語は書き出してWEB等で意味を調べる。WEBで調べて分からないものは、プロジェクトメンバーに聞いてみる(最初のタイミングを逃すと時間が経つほどに質問しづらくなるので、早め早めが肝心!)。できれば初日~2日目ぐらいで一通り調べて頭に叩き込んでおくと良い。これをやっておくと、その後の仕事のスピードに格段の差が出る(要するに、一刻も早く現場のレベルに追い付くことが大事)。

(3)エンドユーザーの業務について現場で理解
許されるなら、なるべくエンドユーザーと直接話が出来るような環境を早い段階で作る。ユーザーとの定例会に参加させてもらったり、休憩室等でエンドユーザーに話しかけてみたり。そして、どんなことが問題だったり、あるいは役立っていたりするのか、興味をもって聞いてみる。

(4)システムが果たしている、あるいは求められている役割について理解
上記(2)に関連して、「何のためのシステムか」「誰が嬉しいシステムか」ということを考えて開発に臨む。仕様のブレが減り、エンドユーザーからの信頼も上がる(かも)。


■プロジェクト状況に対する理解
(5)メンバー構成、キーマンの把握
開発メンバーの構成(所属会社等)、発言力の強い所謂キーマンの見極め。プロパー+協力会社、という開発体制でプロパーにリーダーがいたとしても、実際は協力会社の有能な人が現場を仕切っている、というのはよくある話。なるべく情報をその人に集める、あるいはその人の耳に入るようにしておく。

(6)メンバー間コミュニケーションの方向性と頻度
プロジェクトメンバー同士のコミュニケーションはどんな方法で、どれぐらいの頻度か?表だって話はしてないけど、メッセンジャーで頻繁にやり取りしている、という現場が多いので、最初に仲良くなった人から教えてもらったり、直接話しかけたりしながらコミュニケーションの温度を肌で感じる。仕事の第一歩はコミュニケーション。効率よく仕事していくためには、どういう文化なのか、そしてどういうコミュニケーション方法なら皆が気持ち良いのかを確認しておく。

(7)進捗状態⇒進捗が進んでいる/遅れている原因を把握
マスタースケジュールと、その時点の進捗を確認。これは説明の必要はないですよね(^^;

(8)顧客との関係性、顧客側キーマンの把握
エンドユーザーと開発チームの関係は良好か?あるいは不穏な空気が漂っているのか?この関係性は仕事の進捗に色濃く跳ね返ってくるので、慎重に見極めて、エンドユーザー側のキーマンの考えや動向をしっかり押さえておくことが肝心。

(9)どういった経緯で受注しているのか?
トップ同士がお友達・・・、昔の仕事の繋がりで・・・、こういう関係で始まったプロジェクトほど恐ろしいものはありません(笑)。どういった経緯でシステム開発の発注⇒受注となっているのか、大枠はしっかり押さえておく。(8)と同様、これもシステム仕様や進捗に大きく関わってくることが多い。

(10)自分に求められていることの確認
最後に、全体像を自分なりに把握した中で、自身の役回りと求められていることを今一度再確認し、現場リーダーにも確認した上で仕事を進める。

場合によって、「空気を読まない」ことも大事だったりする(「新しく入ってきたからよくわからない」ことを武器に、行き詰っている部分を創造的に破壊することを求められていることもある)。


以上思いつくまま、とりとめなく書いてしまいましたが、この辺を意識しておくと「食っていけるSE」に一歩近づけるかもしれません。
#ただボクは、「食っていけるSE」を目指しているわけではないので微妙に責任は持てませんが…と最後に逃げ(--;

2010年9月22日水曜日

物流業界素人のためのチートシートv0.1

たまたま物流業界で仕事のお手伝いをすることになり、設計書等に出てくるさっぱり意味不明な用語を調べたので、ボク以上に物流業界を知らない人のために。

物流素人のための物流用語チートシートv0.1

役立つのかどうかは・・・知りません。
とりあえず、業務SE向けにもこういうのがあったらいいんじゃない?と提案した手前、第1弾として公開しておきます。

この次は、医療業界(素人編)のチートシートを作る予定です。

2010年9月13日月曜日

クラウドはやはり10年に一度の衝撃波?

先日、とあるASPベンダーの会長のところに挨拶に行ってきた。お世話になりつつ、独立のご挨拶を出来ていなかったので、あらためてお伺いしたのだ(ちなみに他にも散々お世話になりながらご挨拶できていない方がたくさんいるので、本気でまずい…)。

さて5月に、クラウド時代のIT営業マンに未来はあるのか?というエントリーをしたが、今日挨拶に伺って1時間弱、会長とは「クラウド時代を迎え、受託システム開発企業は頭の中をすっぽり変えないと、生き残れない」という話に終始した。

ちょうど前日にマイクロソフトのパートナー向けセミナーに参加してきたそうで、あのスティーブ・バルマーが「1にクラウド!2にクラウド!3にクラウドだ!」(代表戦の迷言っぽいですね)と熱っぽく語っていたそうだ(記事中にはバルマーの姿は見えませんね…)。マイクロソフトのクラウドと言えばAzureだが、とにかく価格競争でもってクラウド業界に本格的に殴りこみをかけ、さらに日本法人の社員の実に90%以上をクラウド関連事業に投入するんだとか。本気ですねぇ(Xboxは大丈夫か?)。

こうして中心のプレイヤーがクラウドにシフトするほどに、まずはサーバーが売れない(※疑問)等の単純な理由でハード関連企業が苦しくなり、次いでシステム開発企業も売上面では厳しくなってくる。

システム受託開発の場合、実に売上の半分をハード機器やDB等のミドルウェアの調達分が占めることがほとんどなわけだが、クラウドに移行するとまずここが吹っ飛ぶ。そして、ハードがないことによって当然その分の保守料も、数年毎に行われるシステム更改もなくなる。よってここの売上も吹っ飛ぶ。

また、数年前から言われつつなかなか浸透していなかったように思える「所有から利用へ」というトレンドも、現在の不況が追い風となり、その風潮が一気に強まっている。つまり、人月を突っ込んでの「作りつけ開発」というスタイルが今後いよいよ開発業界において期待できないトレンドに向かっている、ということだ。「単価80万円のSEをA社のプロジェクトに5名突っ込んで400万円、半年続くから上期のこのプロジェクトの売上計画は2400万円だな」とかいう、経営者にとっては楽な人売り商売が崩壊することを示している。

受託開発メインの開発会社は、とにかく早い段階で頭の中を切り替えて「次の手」を打たないといけないが、会長曰く、多くの会社がほぼ思考停止状態に陥っているらしく、「何とかしたいがどうすればいいかわからない、というのが現状」と話されていた。ちなみに会長の会社は当初は受託開発一本だったが、10年以上前に思い切ってASP事業を始め、今は売上の半分をASP事業が埋めるまでに至っている(ASPってホント儲からないから、半分までもってくるだけでもスゴイ!)。

もう30年以上この業界で活躍されている会長、「10年置きに大波が発生する業界だが、今回のクラウドの波は10年に一度の大波だねぇ」と実感を込めて話されていたのが妙に頭に残った。これから景気が良い方向に向かったとしても、この業界の構造変化は、それについていけない企業にとって重くのしかかる。しばらくは淘汰の時期が続くんだろうなぁ、と考え込まずにはいられなかった。

実際にじゃあハードが売れていないのかと言うと、米HP、米DELLともに5月-7月期決算は「企業向けサーバーが好調で増収増益」とのこと(記事)。クラウドの本場USAで「企業向けサーバーが好調」とは、どういう現象なんだろうか?企業での実態はまだまだこれまでのスタイルが続いている?

いずれにしろ、国内最強のSI、NTTデータが今年度第1Qで減収減益(営業利益は22%ダウン!)、もちろん他の大手SI企業も軒並み減収減益という事実は、ただの不況だけでは片づけられないメガなトレンドが始まりつつあることを示唆している気がしてならない。その業界に知り合いが多い分、気になって仕方がない流れである。

2010年9月6日月曜日

景気は回復するの?

とりあえず毎日働いていればいずれ景気が回復して、給料だってカットされることもなくボーナスだってもらえるさ。


と思いながら働いているボクと同じ世代(ボクは今33歳です)ぐらいの会社員の人は結構多いと思うんだけど、それは「親が高度経済成長期を過ごした、支えた人」に通じる普通の意識なんじゃないかとも思う。
親は会社員で、長く務めるほど給料は上がって、そのうち家も買って、後は定年まで勤め上げたら年金でゆっくり暮らすのさ、という「レールの敷かれた人生」。「良い大学に行って、一流企業に勤めて、・・・」というアレ。ボクらはそれに反発しつつも、それを目の当たりにしながらそれこそが家庭を支えてくれていた、という事実も理解していた(まぁ、我が父は40歳ぐらいになるまで会社員にはならずいろいろとやって苦労していたからちょっと事情は違うけど、最終的には会社勤めの人になった。苦労しながらボクを大学まで行かせてくれた両親にはとても感謝)。

両親が子供だった頃は、日本も貧しく本気で「ひもじい」経験をした、ということは多くの話を聞いてイメージとして知っているが、ボクらの世代は恐らくその時代ほど「ひもじい」経験をしたことがある人はあまりいないんじゃなかろうか。それに近いぐらい大変だった人も周りにいるので、「いない」とは言い切らないが。
一億総中流社会と言われ、一流企業に勤めていればこの先安泰、といった空気感の中で育ったボクらは、総じてリスクへのケアが弱いような気がしている。「とはいえ何とかなるさ」という無意識の意識。

もちろん、ある程度こういった楽観さは必要で、そうじゃないと危機的状況の時に潰れてしまいやすくなってしまうし、夢にチャレンジすることも出来なくなってしまうんだが、前向きの「何とかなるさ」ならそう問題もないが後ろ向きの「何とかなるさ」の人にとって、もうそんなに遠くない将来に「何ともならない」社会が来てしまうのではないか、という気がしてならない。

一流企業と言ったって、日本の一流企業、例えばパナソニックだってまだ設立して100年も経っていない。トヨタしかり。就職企業人気ランキングで4年連続1位の三菱商事も、設立してから60年も経っていない(もちろん海援隊からの流れを汲むと、倍以上になる。伊藤忠も150年ぐらいか・・・それは凄いな)。
つまり何が言いたいかと言うと、今こうして多くの人が毎朝満員電車に揺られて会社へ行き、夜また電車に乗って帰宅する毎日、という社会スキームはたかだかこの100年ぽっちの間に生まれたもので、それは実は思っているより壊れやすいものなんじゃないか?ということ。

もちろん、会社という制度が社会に根付いて経済的発展をもたらした、このことこそ産業革命だ!とも言えるんだろうし、そもそもこれが極論暴論だというのは自覚しているけれど、制度・社会インフラの整備が進みいよいよ多くの(それほど大きいとは言えない)企業も海外(主に中国をイメージ)とのdealを当然のように始め、本格的に経済のグローバリゼーション化が進む中で、多くの企業が淘汰されていくのは素人のボクから見ていても間違いない。

バブルが弾けた1990年を境に企業倒産件数が一気に増加したことを、「国内」を戦場とした淘汰の時代だとしたら、今はまさしく「世界」を戦場とした淘汰の時代が日本全体に降りかかっているんだろう(くしくも、来年6月には企業会計がIFRSへ移行して、いよいよ日本企業は国際舞台に引っ張り出される・・・の?)。

そして相対的に安心感がある、という一点において評価されている「円」が高いところに推移したまま落ちてこないこの状況において、輸出産業構造の日本は当然のように大ダメージを受け、企業は「企業努力」によって調達・生産拠点を労働力の安い海外に移転する。するとこれまたよく言われる「国内空洞化」というヤツが顔を出して、下請け企業やさらにその下請けの町工場等が大ダメージを受ける。

一方で、経団連を敵に回した民主党(政権与党)からはこの一年、(最初の1か月はお祭りムードで良いとしても)政治的無能っぷりと内部の痴話喧嘩、お小遣い毎月1500万円の宇宙人の戯言と大事なところで誰も連絡が取れなくなるのに国の代表になろう、という不思議な元幹事長の信用度ZEROの発言しか見えてこない、くだらな過ぎる期間をやり過ごしている。雇用!雇用!と連呼している人はこの期に及んで何を連呼しているのか、落ち着いて考えてみてください。(ところで普天間の方々におかれては、政治家というものに心底呆れかえっておらるのではないかと思う)

さて、政治に何も期待できない(ボクらの世代には「政治に期待しない」というのも共通感覚としてあると思っているが、それはまた別の機会にでも書こう)状況で、もう数年、いや数十年前から言われれている「経済のグローバル化による輸出型産業構造の終焉」はいよいよ現実味を帯びてきている。
そんな中、知識・頭脳の輸出とでも言うべきソフトパワーというのは非常に重要なんだが、あの「1番じゃなきゃダメなんですか?」発言(後に撤回したどころか本まで出しましたね。一番じゃなきゃダメですか?)に代表されるように、政治が期待できないどころか、大事な国の発展をぶち壊すことだってある。(ちなみに麻生さんのマンガびいき戦略は、意外と良かったと思っていて、ただ戦術がマズかった)


このような状況の中で、さぁ果たして「景気が回復する」のを待ち続けていいのだろうか。
「とりあえず『もしドラ』読んで、なんかやる気出たわ!」
と言ったまま、これまでと変わらない毎日を続けていていいのだろうか?


ボクは、日本の景気は今のままでは回復しないと思っていて、そもそも「回復」という言葉自体が間違っている気がしている。「これが現在の日本の経済力を正しく評価した姿(点数)で、良いはずのものが悪くなったわけではなく、そもそも縮小している」という認識が合っていると思う。

例えば師ドラッカーは、「産業の外部変化のうち、人口数、年齢構成、進学率、雇用、所得など人口にかかわる変化ほど明らかなものはない。見誤りようがない。もたらすものの予測も容易である。リードタイムまで明らかである。」と、唯一予測可能な外部変化について教えてくれている。で、これをあえて後ろ向きに捉えると(笑)、(労働)人口がどんどん減っている、減っていく日本の経済規模がどうなるか、という単純な質問が思いつく。

単純労働は海外移転、あるいは国内の外国人労働者(都心の居酒屋やコンビニはホントに多いね)が担いつつ、IT化により高度に効率化されていく知識労働の仕事が中心となっていくであろう中で、人口減に歯止めがかからない日本の産業構造、経済構造は果たしてどうなっていくんだろう?


とまぁ、あまり悲観的なことばかり書いていても気分が暗くなるだけなので、ではどうしたら発展していけるのか、前向きになれるのか、ということを考えていきたく思いますが、今日はまず「煽り」のエントリー(笑)で問題提起だけしておきます。というか、油断している同世代の人がいたら、まずはその人たちへのメッセージにしたく思います。


とは言え、ものすごく高い意識と鋭い頭脳と実行力で頑張っている同世代の人が多いことと、僕らより下の世代(好況を知らない、デジタルネイティブな世代)に大きなイノベーションが起こるんじゃないか、という期待があるので(その結果僕らの世代が中抜きになりそうな気もするが;)先はそんなに暗くない。はず。


#スキだらけな文章なのでツッコミまくってくれると嬉しいです。いつもすんません。

アプリコンテスト受賞

もう数か月も前から進めていた、とあるアプリの開発。
ms2が企画発案から仕様詰め、実装に至るまでメインとして進め、ボクはまったく手を動かさず口だけ動かしていたような感じだが、アプリケーションコンテストに応募して、賞をいただいた。

優秀賞(TOP3に贈られる)は取れなかったものの、協賛企業賞を3つに、主催者賞を1つの、計4つ。まだまだアプリとして世界観とか仕掛けとか使いやすさ、わかりやすさとかは改善すべき点はあると自覚しつつも、こうして4つも賞をいただいて評価していただけたことは、単純に、素直に、とても嬉しい。
ゲームのことなんてさっぱり分からない中で、度々平日の20時から3人でマックに集まって行った打合せや、わかりやすさを求めて文章の細かい言い回し部分まで考えたことは、こうして評価してもらえたことで無駄にはならなかった。

特に嬉しかったのは、ニッチなところを狙っているこのアプリが、見事にターゲットに刺さっていたらしいことだ。アプリのプレゼンをms2が会場で行っているとき、横に座っていた慶応4回生ボーイ二人組(ちなみに彼らは見事優秀賞をGETした!)や、前に座っていた若手でやり手っぽい会社員の方が、デモを観ながら「おぉっ!」と身を前に乗り出し、僕らが食いついて欲しいところにバッチリ食いついてくれていた。これは何より嬉しい。
そして、意外なことにボクらが狙っていたターゲットよりももっと「本格的な層」にそれが響いていたことには驚いた。マネタイズも夢じゃない・・・と思わせてくれる、嬉しい誤算。(ざっくりイメージしていたマーケティングプランは練り直さないといけないが)

また、最近クラウドに注力している某大手通信会社の方も結構気に入ってくれたようで、ドップリとご挨拶させてもらえた。今後、良い形で繋がれるといいな。

ここまで引っ張っておいて詳細を書かないのは、キャプテンms2が発表していないのと、今後、受賞を受けて交渉が始まるので、まだあんまり大っぴらに出来ないっぽい状況にあるので、ごめんなさい。

最後に、僕らチームを評価してくれ賞を贈ってくれた企業をご紹介。
本当にありがとうございました。

株式会社モバイルファクトリー
株式会社ビットアイル
株式会社メディアライツ
株式会社オプト

2010年9月4日土曜日

ウォークマンがiPodを抜いたことが、Appleの凄さを教えてくれる

ウォークマン、iPod抜く 8月販売台数シェア

携帯音楽プレーヤーの8月販売台数シェアで、ウォークマンが初めてiPodを上回ったそうだ。とは言っても、アップル陣営には同じように音楽が聴けるiPhoneがあったり、iPod touchががあったりで、「携帯して音楽を聴くことができる端末」というFunctionで括るとやっぱりアップルに軍配があがるんでしょうね。
しかもこのタイミングで新しいiPodたちが登場したし、9月にはまた一気にアップルが盛り返しそう。

上記の記事本文の中で、
ソニーは、商品の品ぞろえを、価格帯1万円以下にも広げたことが功を奏した。若年層向けに、歌詞を表示し、語学学習にも役立つ機能を備えた機種の人気にも支えられた。

というのがあるんだけど、価格についてはそれがきっと避けられない戦略だったんだろう、と解釈するとして、機能に関しては、人気を支えるものとしてはやはり弱いな、という印象が拭えない。

アップルが「イノベーション」だとしたら、ソニーは「アップデート」という感じ。
うーん。頑張れソニー。


このニュースを見て思い出したが、今日、友人と「Dropboxって便利だな~」という話をしていたんだが、その時に友人が「Dropboxと同じようなものを作ろうとしていた知り合いがいたけど、『トランザクションをどうするか』という問題に頭を悩ませていた」というエピソードを教えてくれた。「エラーへの対応をどうするか、と考えて結局実現はしなかったんだけど、でも実際に使ってみればトランザクションの管理なんて無くても、こうやって便利に使える。そんなのは運用で何とかなる。」

確かにそうなんだ。使う側がルールを決めて使えば、プリミティブな機能しかなくても便利に使える。少々乱暴な言い方をしてしまうと、イノベーションをユーザーに委ねるような形。twitterだってEvernoteだって結局そうなんじゃないかと思う。
開発者としてエラー対応は気になるところで何とかしたい、というのは当然わかるが、ユーザーはそれよりも「そのサービスを使えることのメリット」の方を高く評価し、エラーが出るかもしれないが、なるべく出ないようにうまく使う、という行動を取ることだってある。ユーザーが「どこに価値を見出しているか?」ということで、それは即ちマーケティングでもある。

一見、原始的なものであっても、それが革新的なものを直感させれば、そしてアーリーアダプターが反応してくれればその後革命が起こる(可能性が高い)。初めて世の中に登場したウォークマンは「革新」だったけど、それ以降のウォークマンは「更新」。一方でアップルは「革新」続き。
品質という点においてはソニーに軍配かもしれない(ボクのiPodは月1回ぐらいフリーズする)。でも、やはり「更新」ではなく「革新」が無いと生き残っていくのは難しい、ということを、逆に今回のニュースは如実に物語っているような気がしてならない。

ドラッカーの有名な言葉、「企業(組織)に必要な機能はマーケティングとイノベーションの2つのみ」。
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確かにそうだ。でも、それを頭でわかっていても、実践がどれだけ大変かってことは多くの人が認めるところ。最近ボクが心がけていることは、「思考と視点に制限をかけない。そして、とにかくやってみる」。


<おまけ>
なんだかんだでボクはソニー好きなようで、携帯音楽プレーヤーは残念ながらiPodだけど、自宅のTVはBRAVIA、その横に置いているBlu-rayレコーダーもソニーのものだし、その反対側にはもう7,8年は使っていると思うPSX(PS2+HDDレコーダー)が陣取っている。社会人になってから初めて買ったノートPCはVAIOだし(ちなみに先立つこと大学生の時に初めて買ったデスクトップPCはMacだが…)、今はレッツノートを使っているが、これを買う際は最後の最後、直前までVAIOとどちらにするか悩み抜いた。MJとも縁のある企業だし、頑張ってほしい。