2010年10月29日金曜日

Excelでドキュメント作成時に作業効率を上げるショートカット9つ

基本的なものばかりだけど意外と知らない人も多いようなので、とりあえずこれだけは覚えておけば?というショートカットを9つ。個人的によく使う順に書いてみた。
もっと知りたい人はここ(Excel道場)を見るといいよ。

Excel必修ショートカットキー


No入力キー動作
1Ctrl + 矢印キー連続入力された端のセルまでジャンプ
2Ctrl + PageDown/PageUpシートの切り替え
3Ctrl + 1セルの書式設定を開く
4Ctrl + ;セルに今日の日付を入力
5Ctrl + :セルに今の時刻を入力
6F4直前の動作を繰り返す(たまに超便利)
7Ctrl + [Enter]選択した複数セルすべてに入力
8Ctrl + R左のセル内容をコピペ
9Ctrl + D上のセル内容をコピペ


おまけ)Windows系必修ショートカットキー

Excelだけに限らないWindows系ソフトで覚えておくとモテるかもよ?な便利ショートカット
No入力キー動作
1Ctrl + Wファイルを閉じる(アプリは終了しないのがミソ)
2Ctrl + N新規ファイルを開く
3Ctrl + P印刷する



さらにおまけ。
エクスプローラでファイルのプロパティを見たい場合は、ファイルを選択した状態で[Alt]+[Enter]。


今さらこんな常識的なことを書いてて大丈夫か?
大丈夫だ、問題ない。

2010年10月27日水曜日

Windows Live Writer で Word Pressへ記事を投稿する

まったくインストールしたつもりがないマイクロソフトの「Windows Live Writer」。気付いたらスタートメニュー内で光っていて鬱陶しかったので何なのかもわからずに起動してみた(危険)。

どうやらブログ一括投稿ツールらしく、WordPressにも投稿できると言うのでセットアップして試してみたメモ。



今回は自分が持っている実際に公開中のWordPressで実験するため「WordPress」を選択。


ブログのアカウント情報を入力。


エラー。XML-RPCで投稿できるようにWordPress側を設定しておかないといけないようだ。


WordPressの設定画面>投稿設定ページに「XML-RPC」のチェックボックスがあるので、チェックするだけ。


この後は、勝手にWordPressからスタイル(CSS)情報やカテゴリ情報を持ってきてくれて、このアプリから直接投稿できるようになる。

WordPressのエディタは結構もっさりとした動きであまり好きではなかったので、クライアントでサクサクと動いてくれるこのライターはありかもしれない。

カテゴリの追加などもライター側からできるので、結構使い勝手は良さそうだ。


スタイルをWindows Live WriterからWordPressへフィードバックさせることはさすがに出来ないようなので、スタイルを変えたい時はやはりWordPress側でCSS等を変更してから同期させる必要がある。

CSSを変更した後、ライターのメニューで「ブログアカウント>テーマの更新」を押すと、変更したスタイルが反映される。


画像挿入や地図の挿入等も非常に簡単なので(もちろんbingの地図だけど)、WordPressのもっさりしたエディタに不満があるようであれば、十分に使う価値はあるのではないだろうか。


↓地図挿入も簡単。

ネットショップ受注管理ソフトを比較

ひょんな流れで、急にとある講座でネットショップ受注管理ソフトの役割について説明することになった(当日の、開始2時間前に依頼されるって初めてw)。

EC受注管理には前職で5年弱関わってきたとはいえ、もう半年ほどまったく関わっていないのでさすがに流暢な説明とはいかなかったが、参加者の方には重要なところは伝えれたのではないかと思う。

説明している最中、「そういえばネットショップ受注管理ソフトは数あれど、機能面、システム面、価格面等、いろんな角度できちんと比較できている資料(サイト含め)は無いな」と気付いたので、とりあえずザクっと触りだけ書いてみる。

あなたが楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazon等のモール系をメインで運営されていて、まだ受注管理ソフトを導入していないなら、ショップのステージ(=1日の受注件数、スタッフ人数等)にもよるが以下の3つのソフトさえ押さえておけば良いだろう(この3社から何かもらってる/もらえるわけではなく、純粋に知識と経験から選んで記載しています)

NextEngine

受注管理のみならず、発注管理や在庫管理などを含むオールインワンパッケージのASP。EC大手のストラップヤネクストが、自社のサイト運営で培ってきたノウハウまでもシステムに詰め込んで再販、と考えれば月額1万円~というのはリーズナブル。ネット越しにデータを共有できるのも便利(逆にセキュリティ上、データを外のサーバーに保存したり出来ない場合は使えないが)。
ASPなので、モールの仕様変更にもシステムが追従していくはずなので、その辺りは安心して使い続けられるだろう。
http://www.next-engine.jp/


頑張れ♪店長

正直、ただのファイルメーカーである感は否めない(ファイルメーカーをご存じない方は、Access VBAで作ったツール、とイメージしてください)。ただやはりネットショップ黎明期からあるので、古くから楽天出店ユーザーに広く使われており、今でも楽天でショップ・オブ・ザ・イヤーを獲るショップの半数以上で利用されているという噂。
売切りパッケージ&カスタマイズ必須なので料金が高いのが難点。ある程度システム投資できる規模の売上がないと導入は厳しい。ファイルメーカーを自分でイジれるのであれば、いろいろカスタマイズできるので重宝するかも。PCにインストールするタイプなので、モール仕様変更時は自分でカスタマイズするか、販売元に対応してもらう必要がある。
http://www.ganbare-tencho.co.jp/


ネットショップde快速販売『速販』

立ち上げ時から関わってきた、いわゆる「中の人」だったので書かないわけにはいかない(笑)。が、今、冷静に見てもよくできたソフトだ。PC1台で利用する場合は、月額4,200円で「え、いいの?」とホントに驚くほど運営を効率化する機能を手に入れることが出来る(受注自動取込とかステータス連動とかは、知らない人はよく感動する)。受注データを複数PCで共有したい場合はPC1台につき月額10,000円の速販コネクトが便利。
売上規模の小さいショップ向けと思われがちだが、実は楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー受賞店よりもっと売り上げているネットショップでも多く利用されていたりする。元・社員なのであまり書くと逆に信憑性がなくなるので、この辺でやめておきます(笑)。
http://sokuhan.jp/sokuhan/


上記3つ以外にもいろいろあるが、特に気にしなくてよい。上記3つでほぼいろんな運営パターンに対応できるし、実績も豊富なのでこれに絞って検討すれば十分だ。
※実績重視の方は、「アクティブに稼働しているライセンス数」を見るようにしましょう。ライセンス出荷数(販売数)が表示されている場合、それは(特に売切り系ソフトは)「売れた数」であって「使われている数」と必ずしも一致しないのがほとんど。


それぞれのシステム構成やデータIOの特徴なんかをまとめると、どういった受注管理ソフトが自社の運用に合うのかがわかりやすいんだが(今日の説明ではホワイトボードに図示して違いを説明)、今のところそれを作って公開したところでボクにメリットがまったく見当たらないので(笑)、時間が有り余ったらやります。

2010年10月25日月曜日

【どうでもいい話】システム開発現場あるある

システム開発の現場で、よくある風景。

シンガーソングプログラマー


システム開発に従事する職種の人は、独り言が結構多いようだ。ディスプレイに向かって「あ、そっか」「えー、どゆこと?」と語りかけつつキーボードをカタカタと叩く人が意外とどの現場にもそれなりの数でいたりする。中には「せおあs・・・がせ・・・あfせじょあ(聞き取れない言葉)・・・フフフ・・・」と最後はPCと心を通わせて微笑んでいるような強者もいる(今、ボクの視界の右端にギリギリ入っている人)。
ところが最近は(昔から?)そんな強者も顔負けの、キーボードをカタカタと打ちながら鼻歌を歌っている人もチラホラと散見される。しかもその歌はいったい何の歌なのかさっぱりわからない。ただひたすら延々と続くメロディ。後から本人に「何の歌だったの?」と尋ねてみても「え?何が?」と自覚症状がないため、相当な集中力を発揮した場合に自然と溢れ出ている可能性が高い。
ボーカロイドが生まれ、初音ミクが流行する背景には、こういったシンガーソングプログラマーの存在が関係しているのかもしれない。

タッチ&ゴークエスチョン


多くの開発現場は、朝の業務開始時間にルーズだ。たとえば10時開始の現場であれば、プロジェクト開始当初は10時にメンバーは揃うものの、だんだんとスケジュールが押してきて帰宅が遅くなるにつれて、自然と朝のメンバー集合時間も10時10分、10時半、11時・・・とずれ込んでいく。そしてたまに「もうお昼じゃん?」という11時半過ぎとかに来ちゃうようなのも出てくる(ボクのこと)。
ただ、さすがにあまりに遅くなると罪悪感もあるのだろう、「ものすごく急いでやってきた感」を出しながら現場に入ってくる人が結構多い。「遅れてきたけど、急いできたから!」みたいな無言のアピールで周囲を圧倒する作戦だ。
そしてさらに進化すると、遅れてきたことを突っ込まれないようにするために自ら仕掛けるパターンもある。
急いだ感を演出するためにバタバタと必要以上に大きな音で事務所に到着して鞄を置くやいなや、他のメンバーの机へ歩み寄って「昨日作った資料の置き場所、あれからちょっと変更したんですけど見てもらってます?」といきなりクエスチョン。これで「何で遅れたの?」という質問を、かわすどころか抑え込むことができるのだ。あなたも、現場に遅れてしまった時には試してみてもらいたい。
(ちょっと真面目な話を挟んでおくと、先日勉強会で「朝会が結構大事」なんてのを聞いた。)

背後霊


システム開発関係者、特にプログラマーには内気でシャイな人が多いようだ。そういう人は、自分からコミュニケーションを取ることが苦手なため、人に話しかけることはあまりない(誤解のないように付け足しておくと、もちろんコミュニケーションスキルが高いプログラマーもいる)。
しかしいくら苦手とはいえ、仕事をしていれば質問したり確認したり報告したりする必要があるため、話しかけなくてはいけないシーンはある。そんなとき、極度にシャイな人は大抵、その人の席の斜め後ろ辺りに立って、気付いてくれるまで待つというスタイルだ。ほぼ、背後霊である。
今日もどこかの開発現場で、開発プロジェクトのマネージャーの後ろに背後霊が・・・。
もし開発現場で背後霊を見かけたら、一生懸命職務を果たそうとしている彼/彼女に対して気さくに「どうしたの?」と声をかけてあげてほしい。

謎の人物、システムさん


まったくのド新人ちゃんが、配属された現場で先輩開発者どうしの会話を聞きながら思う疑問。「『システムさん』って誰?」。
例えばこんなシーン。

開発者A「あれ、このPC、開発用サーバーが見えないよ?」
開発者B「あぁ、hostsファイルに開発サーバーの宛先追加しといて」
開発者A「そゆこと?オッケー。あ、hostsってどこにあるんだったっけ?」
開発者B「システムさんにー」
開発者A「あぁ、システムさんにー、か」

新人ちゃん「ん?『システムさん』に聞けってことかな…?誰か他のシステムさんにお任せするということだろうか…。ってか、アンタらが『システム屋さん』なんじゃないの?自分で出来ないのかしら!情けない!」

ご存知のように、「システムさんにー」=「C:\Windows\System32」フォルダのことであるが、新人ちゃんやWindowsに詳しくない人にはわからないので、このようにあらぬ誤解を受けてしまうこともある。注意されたし。

2010年10月21日木曜日

【必読】イノベーションのジレンマ

イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)先日読んだキャズムに引き続き、これまた必読のビジネス書だ。
というか、とりあえずこの2冊を読んでおけば他のビジネス書は読まなくてもいいんじゃないかとさえ思う。

この2冊を読んだきっかけは、@tokurikiさんの「この2冊は必読だ」というtwitterでのつぶやき。ちょうど何を読もうか決めかねていたタイミングだったこともあって2冊とも購入して読んだわけだが、通しての感想は

@tokurikiさん、ありがとうございます!

である(笑)。
(ちなみに、@tokurikiさんとは知人でも何でもない…とうかtwitter上も片想いです)

本書の内容についての書評や感想はAmazonにたくさんあるのでわざわざここで書くことはしないが、とにかくまだ読んでない企業のマネージャー以上の人(特に経営者)、企業を支援するコンサルタントやパートナーの人は絶対に読むべし。
顧客の意見に熱心に耳を傾け、新技術への投資を積極的に行い、常に高品質の製品やサービスを提供している業界トップの優良企業。ところが、その優れた経営のために失敗を招き、トップの地位を失ってしまう。


なぜこんなことになるのか、豊富すぎる事例と共に地に足の着いた理論展開で掘り下げており、すっきり明快に、そして非常に知的好奇心をくすぐる形で解説されている。読んでて、途中で何度も「いい本だなぁ~」と感心しきりだった。
ボクはレバレッジ・リーディングに倣った読み方をするので「この本はイケてる!」と思ったらジャンジャンとページの端を折ったり線を引いたりするんだが、この本はそれをまともにやってたら、端を折らないページの方が少なくなってしまう。是非キャズムと合わせて読むといいと思う。

ちなみに発刊順もキャズムが先で、「イノベーションのジレンマ」の中にも少し登場するので、2冊とも読むなら先にキャズムから読むことをお勧めします。


そして何よりこの2冊を読むにつけ、ドラッカーの「企業の目的が顧客の創造であることから、企業には2つの基本的な機能が存在することになる。すなわち、マーケティングとイノベーションである」という言葉の重みがズシリと響いてくるのである。

次の本に行く前に、もう一度この2冊とドラッカー本を深く読み直しておこう。
(同じハーバードビジネススクールの話題の書【これからの「正義」の話をしよう】も気になって仕方ないが…)


もう10年以上前の本だが、現在の事例でもすぐに当てはめて考えることができる、いわば「クラシック」の域に達している。強烈にお勧めします。
イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)
クレイトン・クリステンセン 玉田 俊平太
翔泳社
売り上げランキング: 1030

久しぶりにRIA周り事情を考えてみる

現在は直接その仕事をしているわけではないが、やはり長く関わっていたせいか気になってしまうリッチクライアント・RIA業界。気になるついでに、今の動きを抑えつつ、この先を考えるための土台を考察。

まずはこれまでを振り返っておくと、クライアント技術の変遷としては下記の図がよく利用される。ボクも営業・マーケをしていた頃は散々この図を使って力説したので、たぶん今でも目を閉じててもスラスラ説明できる。

出典:システムの考え方の変遷 /RIAシステム構築ガイド #02

縦軸にユーザビリティ、横軸にコストパフォーマンスを取っていて、曲線矢印(横に倒したS字形)で発展していったことを示している。

さて、出典元を見ていただければ分かるが、これは2008年暮れの記事である。
1年先ですら読めないこの業界、もう2年近く前の情報だが、意外とそんなに激しく動くことなく基本的にはこのトレンドの中にあったように思う。しかし、2010年になって俄かに(ボクの中では俄かだった)脚光を浴び始めた「HTML5」が、この図に強烈なインパクトを与える。

ボクのイメージだと、こうだ。


RIAで提供されていた機能の多くが、HTMLの規格として実装されることになるわけだから、今までRIAを使わないと実現できなかった高いユーザビリティがブラウザのみで提供されることになる。また、別途ランタイム等をインストールする必要がない、という点においても、ユーザビリティは飛躍的に向上するはず。
そしてコストパフォーマンスについても、開発への投資に対する成果のリターンとするなら、こなれるまでは多少時間が必要だろうが、それはベンダー提供のRIAの方が言えるわけで、一度「HTML5開発の定石(お作法)」が確立してしまえば爆発力はもの凄いだろう。圧倒的なコストパフォーマンスを実現するに違いない。

そんなところから、隔世の感を込めてちょっと浮かせた右上にHTML5が登場する。そんなイメージです。

※上記イメージでは、RIA相当の機能として「WebSocket」「WebStorage」も含んで考えているので、正確には「HTML5周辺技術」です。が、いずれにしろ「ブラウザのみで動く」というところがポイント。

とはいえ、RIA系開発現場から離れてしまっているので、実際にトレンドはどうなのか?ということがわからないので、Google Insights for Searchで各キーワードの人気度を追ってみました。

キーワード「リッチクライアント」


キーワード「Rich Internet Applications」

※「RIA」だとここで意図している「Rich Internet Applications」以外のものも含んでしまうので、フル名称で検索。

いずれも2005年辺りがピークで、後は下降傾向なのが見て取れます。
(ただこれは、言葉として一般的に浸透したからキーワードとしての検索数が減ったというまったく逆のパターンも考えられます。)

あまり意味はありませんが、「HTML5」も一応。

今年になって急激にドカっときていることは分かるかと思います。

ちなみに、それぞれ「地域別人気度」というのが見れて、「インド」「韓国」辺りで上記キーワードが人気なのが分かります。今その技術を使って開発している拠点はどこか、というのが見えて面白いですよ(ちなみに韓国のRIA技術は相当進んでいたと記憶している)。


さてここで、少し軸を変えて考えてみる。
システムはこれまで「集中」と「分散」を繰り返してきている、というのは歴史が証明している有名な話。で、先日JMMか何かでエリオット波動理論というのが出てきて、何だろう?と調べてみると「市場の分析手法」とのこと。文系なボクにはツライ内容だが、結果導き出されている波形はこの歴史の変遷に当てはめれるんじゃなかろうか?と試しにやってみた。



青い吹き出し部分が「分散」化、緑の吹き出しが「集中」。「AjaxはRIA側だろう」というご指摘もあるかと思うが、ここでは「分散と集中」について分類しているので、「非同期」がウリでオンメモリなAjaxはあえて「集中」側の技術に入れた。HTML5(というかWebStorage)に比べて、というある種デキレースな部分もなきにしもあらず…。

ちなみにこの波動だと、第3波が最も強力な波動になるらしい。上記で当てはめるとRIAへ向かう波動。振り返ってみて、確かにRIA系技術がシステムの世界に果たした貢献度合いは(B2C、B2B、inBともに)非常に大きいと思うので、違和感はないように感じる。

で、この波動でいくとHTML5が山場となり、その先が今後の予想していくべきところ。ボク的には、GoogleのOS、「Chromium OS」がまさしくこのポジションに来るのではないか?というのが今のところ一番しっくりきている。

その先は何とも予想すらしていないが、ただ、青い点線を書き足してみた。これはモバイル技術の線。黒い線はあくまでPC系統のシステムで考察したものだが、この黒い線が頂点を迎え一種完成系となった段階で、もう市場の主流はモバイルにシフトしていくのでは?という意味。
ガラケー、スマートフォン、そしてiPad等、持ち運べる端末も日々めざましい進歩を続けており、ネットワーク、UI、操作性等、格段の速さでもって進化している。

果たしてこの線にはどんな吹き出しがプロットされていくのか?
またじっくり考えてみたいテーマとして、次回に取っておこう。


いずれにしろ、HTML5に乗り遅れるな!
Google API Expertが解説するHTML5ガイドブック

2010年10月20日水曜日

続、景気は回復するの? からの~

景気は回復するの?」と題した前回。「そもそも回復という言葉自体が幻想だ!これが今の日本の実力を映し出した等身大の姿だ!」と悲観的に結論付けました。今回はその続き。

まず、どれぐらい悲観的か、ということをあらためておさらいします(笑)。
前回は、産業構造が輸出型であり、労働人口の低下が確実であるという状況下において、回復だなんて夢見てんじゃねーよという話でした。

今回はさらに、深刻なデフレスパイラルに陥っている現状について、白川日銀総裁の見解をご紹介しておきましょう。

デフレの背後にある根本的原因には、成功期待の低下がある。日本経済の成長率や生産性を引き上げていくことが重要な課題だ。

(愛読しているJMMからの引用。JMMはほんと皆、読んだ方がいいよ。無料だし。)
さて、これつまり金融政策でどうのこうの出来る問題ではなくて、日本の産業構造を変革するなりして実態経済そのものに成長の可能性を見出すことが出来ないとダメじゃん、ってことですね。
成長の「可能性」ですよ、「可能性」。今、可能性すら見つけることが出来ないっていうような状況なんですねぇ。で、デフレ克服のために構造を変えるなんてことは、現政権では無理無理、絶対無理!というのが識者の見解だということは、上記の次の号で語られていたりします。怖い怖い。

ちなみに生産性とは「付加価値額÷労働者数」、つまり労働者一人当たりいくら付加価値を産み出しているか。
で、その生産性の上昇率と労働人口増加率を足したものが「潜在成長率」。

…恐ろしいですね。確かに成長しそうな気配を感じられない

で、日本を支えてきたハイテク家電等のお家芸は韓国にもっていかれ、アジアのハブとしての役割はシンガポール、そして国策によって保護されながら成長し、自らも巨大マーケットである中国、そして新たなイノベーションの発生は欧米が中心。日本は「柳腰というのも」とか言ってるその瞬間にも、どんどん世界マーケットの隅へ追いやられているわけです。あー怖い。


話がマクロの方に寄りすぎました。ここは経済ブログではなくて「だいたいIT系」ブログなので一気にIT界隈のこじんまりした話に戻しますが、いわゆる受託開発案件というのはそんな経済状況もあって減りに減っているし今後も期待できそうにありません。あったとしても、大きなプロジェクトだと普通にインドのベンダーが入ってきたり中国のオフショア前提だったり(最近は中国は全然安くないとはいえ、その営業力は凄いようだ)、日本で上から下までなんてそんなのは「古き良き時代」になりました。

じゃあもうお先真っ暗なのかよ、と言うと、いやいや、最近のCM見てみましょうよ。パチンコかGREEかモバゲーかっていう感じじゃないですか。ってそれは大げさですけど、GREEとモバゲーの勢いのすごさは、その問題視のされ方からも注目の高さがわかります。(テレビCMの広告出稿量、2010年7月期は3位と4位ですよ
そしてさらに米国では映画(ソーシャルネットワーク。日本では来年1月公開予定)も公開されて話題のFacebook。日本でもアーリーアダプター間では既に大盛り上がり。もちろんmixiだってFRANZ FERDINANDの曲でバンバンCM打ちつつ、アライアンス構築に余念なし。
というわけで、ソーシャル周りのIT業界は今まさに技術者絶賛大募集中で、活況を呈しています。

よしじゃあ、早速ソーシャルのプラットフォーム、あるいはSAPに応募しよう!というのもそれはそれでアリですが、まぁちょっと落ち着こう。
ソーシャル周りの業界だって、未来永劫続くわけでないんだから、その前に社会の波を読みながら生きていくための基礎スキルを身につける、っていうのも悪くないと思いませんか。

そのための第一歩、それはまず数字を読めるようになること。やっぱり数字は、読めないより読めた方が断然いい。むしろ読めない人は読める人から搾取されてる、ぐらいに思った方がいいです。いや、言い過ぎた。ごめん。

でもまずは冷静に、日本企業の状況を分析したりするためのスキルが絶対的に必要。日本企業、と書いたけど、それは自分が勤める会社も含んでいます。つまり、自社は大丈夫か?競合他社と比べて強みは?弱みは?他の業種と比べて構造的な景気への弾力性は?
そういったことが読めるようになると、戦略的に生きていけるようになると思いませんか?

そして読むための素材は多くの会社がWEBでばら撒いてくれている。IRだ。
企業のIRページへ行くと、ご丁寧に財務諸表を公開してくれている(IR活動は重要だからね)。これを読めれば、上記のような分析が出来るようになる。

でも、「財務諸表ってちゃんと勉強しないとよくわからない」、あるいは「本を買って勉強してみたけど実際に触ってないから実感がない」といったような方も多いのではないかと思う。


そんなあなたに、ありますよ。いいアプリが。
先日アプリコンテストで受賞したと報告したアプリが。
1日5分、遊びながら財務諸表を学習できてしまうアプリが。

その名も「マネージメント真似部」。
通は「マネまね」とギョーカイ人っぽく言います。

今はmixi限定のオープンベータ(いや、オープンアルファ)状態なので、限定公開してデバッグ&チューニングを始めようか、という段階ですが、仲間内でやってみると結構ハマる。
やってみたい方は、mixiにコミュニティもあるので(昨日慌てて作ったので管理人と副管理人しかいません)お気軽にご一報ください。

mixi版の遊び方はここ
ゲームのチュートリアルはここにあります。
もちろん動画もありますよ。

ちなみにゲーム画面のイラストは「竹中先生、経済ってなんですか?」のイラストでもお馴染みのふじいまさこさんが描いてくださいました。
竹中先生、経済ってなんですか?

ゲーム画面サンプル↓

ちなみに秘書の鈴木さんは、きっと皆さんご存知の人をモデルにしています。わっかるかなー。

(注意!上記「mixi版の遊び方」に出てくるひどい絵の方は、ボクがノートPCのタッチパッドでぷるぷるしながら描いたものです)


さぁこれで勉強して、あなたもブログでサラっと
【会計】試しに有報分析をやってみた-「グリー株式会社」
とか言っちゃえるようになるといいですよ。

※上記ブログの方はこのアプリを使っているわけではありませんし、そもそも知り合いなわけでもありません。知り合いにはなってみたいですが。ただ、このアプリで学習を続ければ、こういった分析の勘所が身に付く・・・はず!たぶん!そうであってくれ!
と言うわけで一応書いておきます。「学習効果には個人差があります」。
でも毎日やれば、亀仙流の甲羅修行の如く、ある日財務諸表がすっと読めるようになるはずですよ!

本リリースはもうちょっと先ですが、上述の通り現在オープンアルファからベータぐらいの状況なので、改善に協力してくれる方、絶賛募集中です。
ゲームやってみてもいいよ、という方は、ぜひmixiコミュニティまでご連絡ください。

2010年10月18日月曜日

初耳)サブジェクト指向

「知り合いがオブジェクト指向の先のものを研究してますわ」と隣で仕事している方が言うので「オブジェクト指向の先ってなんですか?」と質問するが、もう定年を迎えるような年齢のお方なのでそこまで詳しいことはわからない、とのこと。
ただ、その知り合いがやっているという会社のHPを探ると出てきた「サブジェクト指向」。
そんなのがあるなんて、恥ずかしながら初めて知った。

ググると、ざっくりとイメージで捉えた説明があった。
サブジェクト指向(ありえるえりあ)

会話というか、ストーリーに例えるなら
オブジェクト=独立した1つの話のネタ
サブジェクト=話す順番、その繋ぎ方
って感じだろうか。
(余計わかりにくいか・・・)

で、他にも「サブジェクト指向」でググったら小飼弾さんのブログの古い記事(2006年)に当たった。
サブジェクト指向の説明ではないが、オブジェクト指向の説明として非常にわかりやすいエントリだったので、「うーん、おぶじぇくちょしこってよくわからないや」という坊や(俺のことです)は必読である。
OOP = Abstraction 2.0 ?

コミュニケーション・スキル(準備)

さて、前回は思い出話に終始した後、最後に
コミュニケーションの第一歩として「聴く」ことが大事
と締めくくりました。

というわけで今回は「聴く」ための事前準備について。
と言っても、ボクが友達と話す時のことを読まされても誰の役にも立たないと思うので(笑)、自身の多少の営業経験を踏まえ、次のようなシチュエーションの時ボクはどうするか、どうしてきたか、ということを書きます。
具体的なメソッドの部分については、まずは下記シチュエーションで具体的に「場」をイメージしていただいた後、次回以降に「場」に盛り込む形で書いていければと思っています。
「コミュニケーションについて」というよりは、完全に「営業訪問時マニュアル」になってますが、広い意味でのコミュニケーションということでご容赦ください…。
(「営業」は正直「スタイル」なので、その方法は個々人千差万別。あくまで「ボクの場合」ということでご参考まで)


■シチュエーション


営業で初めて訪れる先で担当者の方と初顔合わせ。慣れるまでは結構緊張するけど、場数さえ踏めば緊張は減り、逆に楽しみになってくる(ボクの場合)。

■コミュニケーションの目的を意識する


何でもそうだが、やはり何かをするに当たっては当然ながら目的が大事。「何のためのコミュニケーションなのか」を意識しておくことがとても重要。これを意識すると、「この会話(打合せ、商談等々)が終わった時に、どういう状態になっているべきか」という成果目標が具体的になるので、発言の方向性がカチっと定まって、実りのある会話に一歩近付ける。営業訪問というシーンでは当然目的をもってコミュニケーションを図るわけだが、どんな会話の時でも自然とこれを意識できるようにしておくと強い。
例えば今回のシチュエーションでは以下のような目的が考えられる。
  • 自己紹介、自社製品紹介

  • 先方の問題点の把握

  • 次回への繋ぎ

目的を定めたら、あとはそれを達成するために準備し、実行するだけだ。

■事前準備


初めて訪問する際は、「事前準備がどこまで出来ているか」でほぼ勝負あり、と言っても良い。
訪問する会社の情報をWEBでチェックするのはもちろんのこと、先方の担当者の名前でも検索をして、過去にインタビューが掲載されている記事がないか、ブログで発信していたりしないか一通りチェック。

会社HPをチェックする際は、扱っている製品・サービスや組織構成、親会社やグループ会社、そして最新のプレスリリース等をチェックしておくことはもちろん、IR情報も確認しておく。IR情報には「その会社の課題」がそのものズバリで書かれているので、営業マンとして訪問するなら基本的にそこをポイントにすると突っ込んだ話がしやすくなる。

また、担当者の方が個人でブログをされていたり、インタビュー記事等で発言されていれば、やはりそこにもその人が抱える課題や解決の仕方、思考方法、好きなものなどが書かれているので、しっかりメモ。
共感できる部分や疑問に思った部分、よくわからなかった部分を質問事項として書き出しておく。

基本的に人は、自分に興味を持ってくれている人を好意的に受け止めるので、だったらネットでわかる範囲だけでも調べておいた方が、距離が縮まる可能性は高まる。やって損なし。


■まずは場の空気作り


実際に訪問して、受付を済ませて待っていると先方の担当者が迎えに来てくれた。ここから打合せの場所まで移動する場合、小さな会社だと気にならないが、大きな会社だと会議室まで微妙に長い距離を歩いたりする。よって、微妙な空気感が漂う無言の散歩が発生することがある。ここを黙ったまま歩いてしまうのは非常にもったいない。こんな時は他愛のない話、つまり遮られたり途中で終わってしまっても構わない話を振る。
例えば

  • 今日はあいにくの天気ですね。でもボクは結構雨音が好きなんで雨の日は嫌いじゃないんですよ。

  • ここは駅から近くて便利ですよね。お店も多いしランチには困りませんね。

  • この辺は坂が多いので、駅から急いで来たら日頃の運動不足がたたって息があがっちゃいました。


といった内容であれば、相手も応えやすい話題である上に、意外とすぐ会議室に着いてしまってもそのまま(半ば独り言としてw)終わらせることができる。こういうのは慣れるとあまり考えずにポンポン出てくるが、慣れるまではいくつかパターンを用意しておくと良いかもしれない。

もちろん上記は、会議室で名刺交換をする前後の微妙な間(別の参加者が遅れてくる、等で一緒に待っている場合など)にも使える。これで、最初の不安定な場の空気を一気に落ち着かせることができる。



場の空気が落ち着いたところで、やっぱり長くなってしまったので今回はここまで。
次回以降、「聴く」ことについて具体的なメソッドを交えて書きたいと思います。

2010年10月14日木曜日

Let's Noteが急にスタンバイ状態になったり画面が暗くなったりする件

現場では作業用のノートPCが支給されているが、メールアドレスを支給されていなかったりしてネット関連が不便なので、自分のノートPCを持ち込んで作業させてもらっている。

ただ、もともと狭い作業場所にも関わらず、さらにプロジェクトメンバーが増えたためノートPC2台を並べて作業するだけのスペースが確保できなくなってしまった。
そのため、支給していただいているノートPC(コイツは黒いので、「クロスケ」と呼ぼう)はあまり使わないので、起動したものの、それをパタンと閉じて、その上に自分のPC(シルバーなので「銀狼」と呼ぼう)を重ねて乗せて作業することにした。

コクヨS&T OAフィルター (のぞき見防止タイプ) ハイグレード 12.1ワイド型用 EVF-HLPR12Wところが作業を開始しようと銀狼を起動するも、画面が異様に暗くて、まるで「覗き見防止用フィルター」(左の写真参照)を100枚ぐらい重ねて貼ったような状態。
いや、100枚も重ねて貼ったことはないからこの例えが正しいのかどうかはわからないけれど、とにかくじっくり目を凝らせば何となくいつも見ている画面がそこに映っているのがギリギリ分かるぐらいで、当然仕事にならない(というか、ポインタが見えないから操作できない)。
どうしたんだろうか、といろいろ探っているとさらに追い打ち。いきなりスタンバイモードに突入。

「・・・?」と思い、電源ボタンで電源を入れるとすぐにスタンバイから復活。しかし、またすぐ画面が暗くなる。様子を見ようと銀狼の手前部分を少し持ち上げてみると画面復活。
復活したと思って持ち上げていたのを戻すと、途端にスタンバイモードに突入。
以降、謎のまま以下のパターンを6回ほど繰り返す。

1.スタンバイから電源ボタンで復活。
2.復活するがすぐ画面が暗くなる。
3.少し浮かせてみる。
4.画面が明るく復活する。
5.浮かせていた状態から戻す。
6.スタンバイへ突入。
→1へ戻る×6

どうした、この夏最新モデルのLet's Note CF-S9!ビジネスユースの最高ランクたるオマエが、そんなことでどうする!

再起動しようが全然事態は改善しないので本腰を入れて調査しようと、安定した場所を確保するために銀狼の下に敷いていたクロスケを横にどけて、あらためて銀狼を机の上に置き、調査開始。

ところが、そうなるとなぜかすこぶる調子がいい。



ここでようやく気付く。
まさか、クロスケが悪さしていたのでは・・・!

半信半疑の中、元気に動いている銀狼を、横に置いたクロスケの上に重ねて置いてみる。

シューン・・・
そんな音はしないが、そんな音が聞こえてしまうぐらいの勢いで、超特急でスタンバイに突入。そう、まさにさっきまでのあの現象。

どうやら原因は「ノートPCの重ね置き」だったようだ。なぜなのか、はわからないけど。何か宇宙的なものが関係しているんでしょう(諦め)。
っていうか、休止モードのノートPCの上に重ねてノートPCを使ったらダメなの?そんなの説明書に書いてないけど?っていうか説明書とか読んでないけど。


というわけで謎のPCトラブルから無事解放された。
と思った矢先、今度は現場のネットワーク(LAN)の状態がすこぶる調子悪くなって、その対応のお手伝い等でまた時間が潰れる。(こっちの問題は、どうやらハブが死にかけているらしい。pingでパケットが50%ロスとかしちゃう)

今日はとんだトラブルDayでした。
皆も重ねて使うのはTシャツぐらいにして、ノートPCの重ね置きには注意しよう。

2010年10月13日水曜日

セキュリティがめんどくさいぞ…Windows7での開発

この夏、Windows XPから一気にWindows 7へ移行した夏デビューのボクですが、あれですね、あのー、セキュリティが厳しくなって開発環境のセットアップがいちいち面倒ですね。

Eclipseがうまく動かないのも、PostgreSQLがインストールできたのにpgAdminで接続エラーになるのも、すべて「管理者権限で実行」していなかったから、か。

というわけで、

PostgreSQLのインストーラは「管理者権限」(右クリックメニューで「管理者として実行」ってやつですね)で行いましょう。じゃないとインストールが正常に終わってサービスも開始されて、いざデータベースを作ろうと思ったら接続できない、なんてオチが待っています。

Eclipseは、毎回管理者権限で実行しましょう。じゃないと、謎のエラーに振り回されます。
起動用のEXEあるいはショートカットを右クリックして、プロパティで「互換性」タブの「管理者としてこのプログラムを実行する」にチェックを入れておくと便利です。


要は、C:\Program Files配下への書き込み権限がないユーザーで実行するとセキュリティに引っかかってNG、ということですが、こんなの常識ですよね、すいません、今さら。

分かっていても、なかなか身に付かないもんです。うっかり何度もやってしまう・・・
何かいい方法はないもんですかね。

2010年10月12日火曜日

【必読】キャズム

キャズム
これは(評判通り)IT系企業に勤める人は皆読んだ方がいい良書です。というか、教科書です。
これまで数多のマーケティング本を読んできましたが、自身のいる業界の話題が題材のせいか、いや、それを割り引いても非常に良い内容です。

内容は濃いけど非常にわかりやすくコンパクトにまとめられていて、読後に爽快感を感じるほど。もう少し早くこの本に出会っていればもっと良い成果を出せたかも・・・と後悔するほどの内容でした。

市場(顧客)のセグメントの仕方(この分析を知るだけでも価値あり)、各セグメントへのアプローチの方法、セグメント間の移行方法(ここでキャズム=溝を超えなければならない。これがテーマ)等々、実際の市場や企業の詳細なデータを用いながらなされる分析は、その理論に大いに説得力を与えています。

特に、ハイリスク・ローデータとして紹介される
マーケターは「信頼できる情報がほとんどない状況下」で自社製品がどこに位置するのかを認識し、「これまででもっとも難しい決断を下さなければならない」。

というのは実体験としてよくわかる。
そんな中、どういうステップを踏んで信頼に足るデータを準備していくか、そしてどのようにキャズムを超えていくか、戦略と戦術がこれまた具体的にわかりやすく解説されている。

とりあえずマーケティング職の方(あるいは経営層の方)は、絶対読むべし!
そうじゃない方、特にIT業界の技術者の方も読んでみることをお勧めします。

キャズム
キャズム
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ジェフリー・ムーア
翔泳社
売り上げランキング: 39860
おすすめ度の平均: 4.5
4 ハイテク新製品を扱う企業人の必読書
5 他の本にもよく引用される、ベーシックな一冊
5 マーケティングの教科書的な本
5 自分の立ち位置を分からせてくれたマーケティング書
4 これはいい!



ちなみに最近のマーケティング本では、コトラーの「マーケティング3.0」なんてのがありますが、これはタイトルの怪しさに不安をおぼえたので目次を見たら、「コトラー、どうしたの?もはやマーケティングじゃないよね」と言いたくなるような構成(企業の自己啓発っぽい)でした。
Amazonでは評価高いけど、コトラーも何だか覚醒してドラッカー方面へ振り切った感があります。おそらくドラッカーの「~の条件」系を読んでおけば導き出されることが書かれているのではないか、と勝手に偉そうに思っています。が、時間が出来れば(作るわけじゃなく、出来れば)きっと読むでしょう。
コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則

2010年10月4日月曜日

コミュニケーション・スキル(序章)

先日、「なんで持ってるノウハウをブログで書かないの?仕事で使うから無料では出せない、とかそういうこと?」と友人からツッコミを受けたので、「いや、書く気は満々なんだけどなかなか体系立てが出来なくて、書けないまま今に至っているのさ」と答えてから早や数か月。結局いつまで経っても書けそうにないので、とりあえず思いつくままに書くことにしました。

第1回目のテーマは「コミュニケーション・スキル」。自身の過去を振り返りつつ、複数回に分けて書きます。従って、前半の方はただの思い出話になるので、ほぼ役に立たないかも…。

■はじめに
ボクは、一緒に仕事をした社内外の方から、図らずも「コミュニケーション・スキルが高い」と言われることが多い(今、自慢してますよ)。そこで、あまり意識したことはないが自身の頭の中を整理する目的も兼ねて、ボクが「コミュニケーション」に際して気を付けていることを書いておく。
事前に断っておくが、当然ボクは専門家でもなんでもないので「これが正しいやり方、考え方」とかいうのは一切ないし、専門家から見たら「それは間違った方法です」と言われることもあると思うので、あくまでCaseとして見ていただきたく。それから、「結局ただの自慢話やん」ということになる可能性もあるので、その辺りをご注意いただきたく。

■とはいえ、コミュニケーション暗黒時代
上記で「図らずも~」と書いたが、その理由は過去の自分から考えて「コミュニケーション・スキルが高い」と言われることにもの凄く違和感があるからで、例えば
・小学生の頃なんて超人見知りだし、
・中学生の頃は「弱い者には強く、強いものには弱い」という典型的なスネオ体質だったし、
・高校生の頃は「派閥命!」
的な人間だった。

つまり、今にして思えばコミュニケーションのコの字も受け付けないような人間だった。
小学校から高校までエスカレーター式の学校にいたため、新たに他の人と「関係を構築する」という最もストレス、ハードルが高い部分がほとんど無かったのもその要因の一つかな、とは思ったりする。

ただ実は中学から高校の過程で一度大きく性格改善を行っている。中学生の頃は自身でも認めざるを得ない典型的スネオ、というより、スネオから良い所を取り除き、嫌われる部分のエッセンスだけを濃縮したような性格だったので、中3の頃には周囲に友人と呼べる人がほとんどいなくなっていた。
全寮制の学校だったので同級生や下級生とは四六時中、それこそリアルに同じ釜の飯を食っているわけだが、この環境で周りに友人がいないというのは結構強烈な体験である。まぁ、自ら蒔いた種が育った結果なんだから仕方ない。その中でボクがラッキーだったことは、当時それをズバっと指摘してくれた同級生がいたことだ。
その後ボクは自身について大いに反省し、性格改善を行って、楽しい高校生活を送ることが出来た。

とはいえその反動か、親密なグループというものに強烈な憧れ的なものがあったようで、必然的に派閥を形成するようになる。まぁこのグループで群れる、というのも高校生の頃には一般によくある傾向だとは思うが、ボクの場合はグループへの所属欲求というものが結構強烈だったように、今となっては思い返される。

■やっと意識した「価値観」の違い
中学~高校のステップで大きな性格改善を行ったおかげもあってか、大学では初日からすんなり友人ができて、いつも行動を共にするグループがすぐに出来上がった。ただ、その頃になると昔の悪い癖が顔を出すようになる。それは、「自分の価値観の押し付け」。
例えば、出席した講義の内容についての意見のぶつけ合い、という硬派なものから、「俺は布袋以外、日本のロックは認めねぇ!」というちっちゃなものまで、自分の意見ばかりを押し通していた。背景には、「こういうロジックで考えた、あるいは感じたんだから、しっかり説明すれば絶対に理解してもらえる。そして俺と同じ意見を持つはず」というとんでもない傲慢な考えがあったわけだが、こんなヤツが周囲からどういう風に扱われるかは想像に難くない。ボクは過去の過ちを思い出し、すぐに考え方を修正した。

「自分が良いと思っているもの、正しいと思っていることは、他人にとっては必ずしもそうではない」

つまり、簡単に書くと「価値観は人それぞれ」という至極当たり前のこと。こんな当たり前のことでありながら、克服するのは難しかった。口では「あぁ、そういう考えもあるか~」等と言いながら、頭の中では「とは言え、絶対にこっちの方が正しい」と決めつけてしまっている時期もあった。

ここを乗り越えたのがおそらく現在「コミュニケーション・スキルが高い」と言われている部分の核なんじゃないかと思っている。

■コミュニケーションの第一歩
さて、こうしてようやく人並みになった(はずの)ボクだが、どうやって人並みになったのか、コミュニケーションに際してどんなことを考え、試行錯誤したのか、その考え方や方法を書いてみようと思う。

まず、第一歩目。
僕が考えるコミュニケーションの第一歩目の鉄則は、とにかく相手の話を「聴くこと」。「聞く」じゃなくて「聴く」。受け取るんじゃなくて、掘り出す、というイメージ。
コミュニケーションというのは、お互いの言葉の背後にある思想とか考えを共有してからがスタートなので、まずは相手を理解することに徹底的でなければならない。と思う。先に書いた「価値観は人それぞれ」というのがベースとなっているわけだが、まずは相手と自分の間にある壁、あるいは溝を取り除くことに注力する。いかにこのステップをうまく踏んでいくかによって、一歩進んだコミュニケーションが出来るかどうかが決まってくる(ただしもちろん、完全に理解することなんて出来ないことも、理解しておかないといけない)。
最初、あるいは早い段階でここを乗り越えておけば、その後はより深く、意義深いコミュニケーションを取るための土壌が出来上がる。

ボクは営業スタイルも完全に「話してもらう」をベースとして、こちらから話す時は商談の後半、「ここで決めてくれ!」という時ぐらいだった(もしくは相手が全然話してくれない時)。

さて、では具体的にどうやって壁を取り払い、溝を埋めていくかについてだが、ちょっとあまりにも長くなりすぎたので、次回に持ち越し。

(このペースで書いていくととんでもない量になりそうなので、次回以降もう少し考えます…)

システムの設計書は文章に頼りすぎない方が良い

ボクは文章を書くのが嫌いじゃない方(むしろ好き)なので、いわゆるシステムの受託開発案件などでゴリゴリと文章を書くのは何ら苦にならないし、何なら入社初年度から「ドキュメントのkashi57move!」なんて囃し立てられてたんだけど(自慢)、ただ、その作業の必要性自体に疑問を感じることも多い。

業務やプロセスを無理して文章化しようとして、結果「漏れ」が生じてドキュメントとしての機能を果たせていないシーンというのが、ままあるからだ。

対極的なのが、例えばIKEAの組立説明書。これなんて、初めて見た時は「これ自体がイノベーションだっ!」とか思ってしまった。一切間違えようがない、他に解釈のしようがない図で組み立て方を示しており(まぁ普通組立系のものはそうですけどね)、一番感心するのは文章が一切ないこと。だから、全世界でこの1部の説明書だけで事足りるわけだ。

文章をたくさん書くと、何かしっかり考えた気になれたり、発注側も「よし、仕事させたぞ!」という気になったりはするんだろうけど(そこまで低次元ではないですかね…)、先述のように文章だけに頼りすぎるとフローの中で考慮漏れが発生したり、何より伝達にいちいち時間がかかる(頭の中で文章からイメージを再構築しないといけないから)。

図に描いてしまえば、全体のフローが見えるようになるし、例えば帳票が発生する場所や回っていく流れ、各アクターにとってそれが必要となるタイミング等が見えてくるので、いわゆる怪しげな設計書やマニュアルでよくある「必要に応じて」なんて曖昧な表現がなくなる。と思うのです。

文章を書くのが得意なボク自身がこんなことを書いてしまうとそのうち自分の仕事が無くなっちゃうかもしれませんが(笑)、それ以上に図示するのは得意なので、むしろ大歓迎。
そんな流れになるといいな、と願いつつ。