2013年10月23日水曜日

【営業】大切なことはすべてIR情報が教えてくれた

友人(いや、向こうからしたらまだ「知人」かもしれないがボクは友人だと思い込んでいる)が、営業フェーズや案件を固めていく際にとても役に立つノウハウをブログに書いていました。

2つの愛を守るために立ち上がった、ディレクターの仕事効率化②

で、ボクは最近こっちのブログはかなり放置気味で、あっちのブログでクダラナイことを書くことに命を燃やしているんですけど、そうか、ボクもいい歳だし、ちゃんとしたこと書かないといけないなぁ、と急に恥ずかしくなってきたので、当たり前だと思ってたけどこれってどう?的な営業ノウハウを書いてみようかな、と思います(割にタイトル釣り気味)。

事前の情報収集に命をかける

これから書くのは、例えば問合せを受けて、あるいは紹介されて初めて先方の企業にお話を伺いに行く場合を想定しています。
大枠の流れは、先述の友人(知人じゃなくて友人だもんね)のブログに書いてあることを実践すれば良いので、ここではその中の「情報収集」について少し掘り下げてみようと思います。

さて、初めて問合せを受けてその企業に訪問する前、当然その企業のことや業界全体のこと、競合のことは調べていくかと思います。ただ、まだ案件の影や形もハッキリしない時、事前の情報収集って何をすればいいのでしょうか

ボクがよくやっていたのは、先方のホームページ、特にIR情報とトップメッセージをくまなくチェックする、という方法です。

上場企業であれば必ずHPでIR情報を出してくれていますね。IR情報のページで、決算説明会の資料や、短信資料なんかを開いてみると、
  • 中期経営目標がこれなんですが、
  • この事業は去年から順調ですけど、この事業は去年より悪くて、
  • 原因は販管費が嵩んでしまったからでして、
  • ですからそこを重点的に改善しまして
  • さらに新規需要が見込まれるこの事業にも積極的に力を入れていきまして
  • 全体として目標に向けて順調に推移しております
的なことが暴露されていますね。

つまりここで「販管費を削減するようなソリューションに興味あるかもな」とか、「新事業についてこの辺の関連情報を持って行くとウケるかなぁ」などと仮説を立てることが出来ます。

さらに同業他社のものと比較して見たりすると、その企業の特色がより浮いて出てくるので(というか比較して初めてわかる)、とにかく多くの企業のIR情報を見てアレコレ考えてみると良いと思います。

※決算書読むのが苦手だ…という方は、簡単にでも読めるようになるとより具体的にその企業が抱える課題が見えてくるので、ぜひ学習されることをお勧めします。
ど素人が読める決算書の本(Amazonへ)
あとは上場企業の場合だと企業価値検索サービス Ullet(ユーレット)とかが便利ですね。


そして2つ目のトップメッセージ 未上場企業でIR情報が載っていなくても、経営者のメッセージというのは大抵掲載されていますね。
たとえばそのメッセージの中に「ホニャララへ挑戦し」とか「ナンチャラの改革を実行し」とか書いてあれば、それは即ち「ホニャララという状態に早くなりたい」「ウチの課題はナンチャラ」と言ってるようなもんですから、それをベースに仮設を立てていけば良いわけです。


事前の情報収集に命をかけた感をふんわりと出す

さて、そうやって集めた情報で仮説も立てて、いざ先方の会社へ。俺の情報収集力と仮説力を見せつけてやるぜ!と意気込んで行っても、残念ながら大抵ハズします。俺のあの1時間は何だったの?というぐらいにハズすことなんてザラにあります。

そりゃ先方は毎日その課題や目標のことを考えているので、話はもっと先に進んでいて当たり前ですよね。

ただ、例え仮説が全部ハズレても、そうやって事前に情報を収集しているだけである程度業界知識が(一夜漬けレベルであっても)頭に入りますので、初めてのお客さんと話す場合もスムーズになりますし、専門用語などの不明点が少なくなっている分、無駄な質問(先方にとっては常識的なこと)をすることもなくなりヒアリング精度も上がります。

そして何より、「事前にガッツリ調べてきた感」をそこはかとなく出せると、先方のテンションも上がってきます

ポイントは、そこはかとなく出すことで、どういうことかと言うと、先方のお話を聞きながら相槌を打つ際に「(ライバルの)○○商事さんも確かそうでしたよね」と挟んでみたり、「ホニャララっていうのを実践されてるお客様がいらしたんですけど」など、相手の頭の中にあるであろうキーワードを差し込みつつ話す。
そうするだけで、先方は「あ、しっかり調べてきてるな」と感じ取ってくれますし、もう少し突っ込んだ情報を出してくれるかもしれません。

間違ってもやってはいけないのは、自分で立てた仮説を話しまくること。これはただの自己満足なので、「せっかく調べたし考えたんだから言いたい!」という気持ちをグッとこらえて、キーワードを差し込みながら先方にお話してもらう。そうするといつの間にか「あの人は分かってるな」なんて思ってもらえて、営業で一番大事な「信頼感」も生まれやすくなります。



以上、長々と当たり前のことを書いた上に、内容がタイトルからどんどん逸れていって結局別のことを書いたような気がしますが、また気が向いたら(もっと長々と)書いてみようと思います。

あとがき

営業はよく、恋愛というか、女性を口説くのと同じ、と例えられたりしますね。接触頻度を少し高めて存在感を示す、とか、相手の期待してそうなことを事前に準備しておく、とか、人の心を捉える、という意味では共通的なノウハウが多いですね(たぶんね)。
でも、今回の「初めて訪問する前の情報収集」ノウハウに関しては、実践するとただの気持ち悪いストーカーまがいになるので、絶対に恋愛には応用しないでくださいね。

ただ、友人(間違いない)のブログにもあるように、やはり必要なのは「愛」ですよね。声をかけてきてくれた先方を愛し、感謝の気持ちで向かい合えば、良い関係が築ける。はず。

2013年10月18日金曜日

Amazon EC2のインスタンスに接続できない

クライアントの担当者さんから「(Amazon EC2で)運用中のサイトにアクセス出来ない、落ちてるのでは…」と連絡が来た。
試しにサイトにアクセスしてもリモートデスクトップで繋ごうとしてもエラーになるばかり。
EC2の管理画面でインスタンスの状態(Status)を見ても、完全に正常稼働中で、落ちているどころか何のトラブルも発生していないように見える。

これは厄介かも…と思いながら Elastic IPsの設定を見てみると、見事にIPアドレスとインスタンスの紐付けが外れてました…。 そりゃアクセスできるわけがない。

インスタンスを再起動するとElastic IPの設定は外れちゃうってことだから(確かに「起動中のインスタンスに割り当てる」仕組みだから、そりゃそうだ)気を付けよう!

ってことで、紐付け再設定して事なきを得ました。
#以下、自分用メモ。

EC2管理コンソールで「Elastic IPs」を選択。

該当のIPアドレスで右クリックして「Assosiate Adderss」を選択。

割当先のインスタンスを選んで「Assosiate」押す。
以上で設定完了。しばらくしたらアクセス!

2013年5月29日水曜日

【活版印刷】で新しい名刺を作りました

今まで名刺は自宅プリンターで印刷したものを使っていたんだけど、きちんとした名刺を作りたいなぁ、とずっと思ってました。
そんな折、高校の同級生で小値賀島の広報や島おこしのような仕事をしている友人が仕事で東京に来た時に、活版印刷で作られた自身の名刺を見せてくれました。

質感やフォントなど、活版印刷でしか出せない独特の風合いがとても新鮮ですぐ気に入ったので、その友人に尋ねてみると、「三代続いている、島で唯一の活版印刷屋さんがあって、今はお父さんである三代目と、四代目見習いとして娘さんが頑張ってる」とのこと。
さらに聞くと、娘さんは小値賀島から上京して勤めていたものの、この小値賀の活版印刷を残して行きたい!と思い立ち、親(つまり三代目)の反対を押し切って島に戻り頑張っている、と。

そんな話を聞くと余計に(応援の意味も込めて)欲しくなるじゃないか!

名刺が届いた

というわけで、その友人に紹介してもらったのが「晋弘舎活版印刷所」さん(リンクはFacebookページ)。四代目見習いの娘さんからメールが届き、早速デザイン含めて発注(ちなみに名刺をいわゆる「業者さん」に発注するのは初めて。記念すべき第一版であります)。

メールでやり取りしながら最終的にデザイン案を2案いただき、散々悩んで決定し、出来上がって届いたのが・・・これだ!


う~ん、実際に触れてみると、想像していた以上に・・・イイ!!
画像だと全然わからないと思いますが、厚手の紙で表面に少しボコボコとした加工が施してあり、文字の部分が凹んでいます。そして一枚ずつ刷るので、それぞれ微妙に異なる表情があります。それが何だか普段触れているデジタルなものには無い感触で、琴線に触れるものがあるんですよね~。

届いたのは、名刺だけじゃない

そんな、非常に満足度の高い名刺を眺めながら、届いた郵パックの袋の中を覗くと、綺麗な字で書かれたお手紙も入っていました!

なんとボクの名字「柏」は、昭和初期に二代目であるお祖父さんが使われていたものなんだとか。どうりで、「柏」の文字だけ少し様子が違って、名刺にも良い表情が出ています。

そしてさらに!
実際に使った(作っていただいた)版の写真!

これは、何かわからないけど、コーフンする!(笑)
「こうやって一文字ずつ組んでいくのかぁ…」と、工場見学的知的興奮を覚えると共に、まさにオーダーメイドを目の当たりにして、何だかやたらと満足度が高いのです(笑)。

そして、四代目見習いに会ってきた

そんな今回作っていただいた名刺。制作をお願いすることになってメールのやり取りを始めたのが2月末。その後、晋弘舎さんもかなり忙しかったり、ボクも5月頭に引越しがあってその住所にしてもらうために待ってもらったりして、5月半ばに届きました。
その間、場所も相当離れているだけに当然一度もお会いすることが出来なかったんですが、たまたま先日、調布で開催された「第3回東京蚤の市」に出展するために東京に来られる、ということだったので、これはチャンスとばかりに行ってお会いしてきました。
四代目見習いの娘さん、とっても明るく気さくで、活版印刷への情熱と小値賀への愛が溢れている素敵なお嬢さんでした。
(ちょうど写真を撮るタイミングで猫がっ・・・!)


ブースには昔使われていた版や、小値賀の海で拾った瓶に入れて持ってきた赤い砂浜の砂(本当に赤かった)など、面白いものがたくさん飾られていて、もちろんポストカードやメモ帳、一筆箋など、味わい深い活版印刷グッズが販売されていたので、いくつかゲットしました。

(ちなみに、「東京蚤の市」自体も非常に楽しいイベントで、掘り出し物を探しに行く価値はあります。人はかなり多いですが…)

さて、そんなわけで長々と活版印刷名刺の魅力と魔力について語ってきましたが、とりあえずワタクシ、名刺がステキになってかなりウキウキしておりますので、既にお渡しした方にもまたあらためてどんどん渡して自慢していきますので、皆さん覚悟してください(笑)。

2013年5月3日金曜日

WindowsサーバーのApacheのSSLが起動しなくてヒヤリ

WindowsサーバーにApacheで構築したWEBサーバーをSSL化することになり、余裕ぶって作業してたらSSLスタートが出来なくてハマってしまったのでメモ。

Apacheが起動に失敗する

秘密鍵ファイル、証明書ファイル、中間CAファイルを保存し、「httpd.conf」でIncludeした「httpd-ssl.conf」に正確なフルパスを記述しているけど、Apacheを起動しようとするとエラーになる。
logs/error.log を開くとこんなエラーメッセージ。
[error] Unable to configure RSA server private key
[error] SSL Library Error: 185073780 error:0B080074:x509 certificate routines:X509_check_private_key:key values mismatch
秘密鍵の値が合ってない…とか、マジか。

で、調べる。
まずは秘密鍵。
D:\Apache2.2\conf>openssl rsa -text -noout -in server.key
Private-Key: (2048 bit)
modulus:
  00:9c:~ホニャララ~

次に、証明書。
D:\Apache2.2\conf>openssl x509 -text -noout -in server.crt
Certificate:   Public-Key: (2048 bit)
  modulus:
    00:a6:~ホニャララ~

もう、modulusの値がいきなり全然違う。
で、あらためて各ファイルの中身をサクラエディタ確認すると…。
[秘密鍵ファイル]


[証明書ファイル]


分かりますかね。
そう、改行コード。証明書ファイルの方の改行コードが「CR+LF」になってやんの。(ついでに中間CAファイルも)

というわけで、証明書ファイルの改行コードをサクラエディタでLFに指定しなおして上書き保存、再度Apacheを起動させると、無事に立ち上がってくれました。Windows使ってる時点ですぐ疑うべきところなんですけどね。

やっぱりApache使うならサーバーはLinuxですな…。

2013年4月18日木曜日

【C言語】free関数で落ちる

ちょっとハマりかけたのでメモ。

free()関数の実行で落ちる

とあるプログラムで、論理エラー終了した際に実行する関数内に、プログラム内で malloc した、あるいはする可能性のある領域を漏れなく解放する処理があって、そこの free の処理で落ちた。サンプルでソースを書くとこんな感じ。
→そんなことより答えへ急ぐ

--------------------ココカラ---------------------
#include <stdio.h> #include <memory.h> /*--------定数----------*/ #define COLUMN_MAX_LEN 50 /*--------------------------------*/ /* うっかりグローバル変数宣言 */ /*--------------------------------*/ char *p1; char *p2; /**********************************/ /* 初期処理 */ /**********************************/ int init(){ // いろいろと初期処理する // 初期化とかもする p1 = NULL; return(0); } /**********************************/ /* 終了処理 */ /**********************************/ void error_end(int code, char* msg){ // いろいろとログ吐いたりなんだかんだする // 使用していた領域解放 if(p1 != NULL){ free(p1); } if(p2 != NULL){ free(p2); } return(code); } /**********************************/ /* main */ /**********************************/ int main(){ // 初期処理 if(!init()){ // 初期処理でなんかエラー発生 return error_end(9, "init") } // 領域確保 p1 = malloc(sizeof(COLUMN_MAX_LEN)); if(p1 == NULL){ return error_end(1, "p1:alloc"); } p2 = malloc(sizeof(COLUMN_MAX_LEN)); if(p2 == NULL){ return error_end(2, "p2:alloc"); } // 主処理とかが続く hoge(); piyo(); // 終了 exit(0);
--------------------ココマデ---------------------
(ちなみにソースはこれでHTML化。一応、宣伝)
コンパイルとかしてなくて殴り書いたからテキトーだけど、とりあえずこれ、最初のinit()で何かしらエラーが起こって error_end() に飛ぶと、free()で落ちます。 なぜ落ちるか、答え。


原因はポインタ変数の初期化漏れ

当たり前っちゃ当たり前だけど、free関数はmallocした領域に対して実行しないと落ちる。なので、error_end() で free()する前に、「ポインタ変数にアドレス値が割り当てられてるか」ってのをチェック(p1 != NULL )してるんだけど、p1 についてはきちんと init() で初期化しているから良いとして、 p2 については初期化漏れ。

C言語は、その他多くの素敵な言語と違って、宣言と同時に初期化なんてしてくれないので、「char *p1;」とした段階で、p1には何か変なゴミが入っている。だから、init()でエラーが発生してerror_end()を実行する段階で、p2はアドレス値ではない何かが入っているので NULL じゃない。
NULLじゃないから、if( p2 != NULL ) の条件が true になっちゃって、p2 を free() しようとするんだけど、そもそも p2 に入ってるのはゴミだから、free()が困る。で、落ちる。

という罠でした。
アドレス操作は便利だけど、こういうことがあるから厄介ですね。デバッグもしにくいし。気を付けよ。


■おまけ
ポインタが全然わかんないけど、やっぱりきちんと理解したい…という人には個人的にこれが超お勧め。
C言語ポインタ完全制覇 (標準プログラマーズライブラリ)

2013年4月9日火曜日

「フリーランスとサラリーマン」っていう分け方の話じゃないでしょう。

まぁ別にスルーすればいいんだけど、例えばこれから社会に出て行こうとする若者たちが最近のイケダハヤトさんの極論断定ブログを読んでも害の方が大きい気がするので、滅多としない他人のブログに絡みつく、ということをやってみます。(別にアンチ・イケダハヤトとかそういうのは全くないです。いやむしろ自身の価値観で生き抜いていて素晴らしいとも思います)
#リンク貼っておきます。読んでないけど。
年収150万円で僕らは自由に生きていく (星海社新書)

とりあえず、今日のブログ(これは完全にWeb Logレベルなのであえて記事とは言わずブログと呼びます)。
社畜と家畜の共通点 - ihayato.書店 | ihayato.書店

これスタート地点がヒドすぎる。
もともと「家畜」という言葉があった上で、一定規模の会社なら必ず存在する給料ドロボー的な社員を家畜になぞらえて社畜と呼んだ話であって、比喩なんだから共通点もへったくれもない。例えるなら「AKB48とNMB48の共通点」について話してるだけで、同じ物を並べて話しているのでまったく意味が無いというか、プロブロガーとしてこんなこと書いてて恥ずかしくないのかなぁ、とすら思います。
イケダさんはFBのコメントで「昨日の夜布団に入ってピピーン!とタイトルだけ舞い降りたので、朝起きて15分ほどで記事化してみました。(中略)こういうことがあるから、創作活動はやめられないんですよね。このアナロジースタイルはものにしようと思います。」とおっしゃってるんだけど、これアナロジー(類比)でも何でもないですよね?(決してアンチとかそういうのはないです)


と、本当は別に今日のブログに絡みつく気は全然なくて、何日か前のこの記事を読んだ時にちょっとイラッときたんです。(いやだから全然アンチとかじゃないです)

サラリーマンの仕事の質がフリーランスよりも低い理由 - ihayato.書店 | ihayato.書店

なんというか、本当にこの人は世間を知らないんじゃないか、自分が知っていること・体験したことがすべて、という狭い世界で生きているんじゃないか?と悲しくなると同時に、これを鵜呑みにする若い人たちが増えだしたらエライことになるぞ、と思ったわけです。
なので、鵜呑みさせないために、釣りタイトルに思いっきり釣られて、サラリーマンとかフリーランスについて思うところを書いてみます。

ボクは現在フリーランスを丸3年ほどやってますが、それ以前は小さなベンチャーで営業を5年近くやっていました(その前は500人ほどの会社でシステム開発職です)。営業職だった当時、繰り返しますが小さなベンチャー企業だったので、専任営業はボク一人だけという期間も長くあり、そのおかげで多くの会社の社長や役員をはじめ、優秀なマネージャーや社員の方々とお話させていただく機会をいただきました。

社長や役員、マネージャーの方が意識高くハイパフォーマンスな仕事をされるのはもちろん、社員の方でも目的意識をもって高いパフォーマンスを出している方はたくさんいらっしゃいました。決して、(フリーランスに対比して)「サラリーマンは~」と一括りなんて出来ないです。サラリーマンでも、フリーランスより質の高い仕事をする方なんてゴマンといるんですよ。そんなの皆さん、知ってると思いますけど。
イケダさんは、売上目標に縛られて、無理矢理にでもモノを売りつけるような会社で働いていたんでしょうかね。もしくはそういう会社とばかりお付き合いされているんですかね?そうじゃない会社もたくさんあります。
それを「傾向」として言うのであれば、フリーランスだって必要のないモノを売りつける人だって普通にいます。

そもそもボクは、自身がフリーランスですが、それは決して他の人と比べて優秀だからというわけではもちろんなく、自分で自分に責任を持つための一番の近道がフリーランスという方法に思えるからフリーランスをやっているわけです。ぶっちゃけ能力とか仕事の質とか関係なし。会社に所属するメリットとデメリット、所属しないメリットとデメリット、それを自分の価値観で判断した結果、フリーランスが良い、という結論にたどり着いたわけです。
従って当然、この判断をするためには「会社員」としての経験がないとその良し悪しなんて分かりません(ベストセラー「ストーリーとしての競争戦略」にある『理屈じゃないから理屈が大切』の論理に似てますね)。
今、ボクはイケダさんのこれらのブログを読んだ若者が単純に「やっぱサラリーマンなんてやってらんねーぜ!」と思考放棄してしまう危険性を慮りながら書いているわけですが、なのでボクは、これから社会に出て行く若い人に向けては「絶対にこれをやり遂げる!」という強烈な思いやビジョンがない限り、会社勤めを少なくとも2年はするのが良いとお勧めしたい(強い思いとビジョンがあるなら、すぐやった方がいいけど)。
「なんかノマドとか自由なスタイルで仕事できていいよね、っつうか社畜になんてなりたくないし」というレベルで世の中に出るリスクの大きさを、しっかりと認識しておいて欲しいのです(そんなヤツぁいないかw)。というか、就職試験で面接官を口説き落とせない人が、ビジネスの世界で、きちんと対価を得る仕事を取ってこれるとはどうしても思えないので、悪いことは言わないから、「絶対にやりたいこと」がないのであればまずは会社に入って社会勉強すべし。
ちなみに「2年」としたのは、2年目には後輩が出来て、先輩としての勉強ができるからです。

それでもどうしてもサラリーマンなんてダサくてヤだぜ!という方に向けて、フリーランスとサラリーマンの違いをイケダさんに倣って極論してみましょう。

フリーランスで一番大事なのは、ボクは健康な体と営業力だと思っています。フリーランスは有給休暇というサラリーマン最大の特権がありませんので、仕事を取ってこないと、あっという間に死ねます。仕事を取ってきたとしても、体を壊して仕事できなかったら、やはり軽く死ねます。
というわけで営業力はとても大事。かく言うボクもサラリーマンの時に営業職をやって初めて仕事を獲得する難しさを知ったわけですが、例えばある企業に提案をする時、相手の担当者の方の社内でのポジションと所属組織のライン、他部署との関係、上長の決裁額辺りが重要ですね(「顧客目線の提案になっているか」とかそういうのは当たり前の前提条件として、その先の営業実務の話ですからね)。
企業規模にもよりますが、相手の担当者の方はこちらの提案内容を検討していくに当たって、いろいろと社内政治が必要なこともあるかもしれない。そんな時、その担当者が社内で動きやすくなるような情報などをまとめたり、各所に働きかけたりして進めていくことになると思います。
これ、自分が会社員としての経験がないと、そこまで想像が及ばない、想像できたとしても何をすればいいのかわからないんじゃないかと思います。自身が会社人の経験をしていないと、相手の状況を想像できない、理解できないと思うんですが、どうですかね。

そしてさらに大事なのが、人脈の作りやすさ。会社員としてある程度の肩書きを持つと、会社の信用度を使って結構いろんな人に会えます。いろんな会合にも参加できます。初見の信用度という意味ではやはりフリーランスより格段に上がるので、いろんなお話や商談も出来ます。
フリーランスになると自分の信用力一本で食っていかないといけないので、ほとんど人脈もない状態でフリーになると商談どころか会ってもらうのも大変です。また、フリーランスだと会社組織に比べて出来る仕事の規模が小さくなるので、ある程度実績がないと、商談の規模もどうしても小さくなりやすい。予算規模数億円、というような大きな仕事をしようと思うと、(個人ではないという意味で)サラリーマンじゃないと難しいところです。


あと、なんか意見を権威付けするために書いていると思うんですが、これ、気になります。
とあるベンチャー企業の取締役が、「優秀な広告パーソンは『このマーケティング課題だったら、広告を使わなくても達成できますよ』と伝えられる人材だ」という話をしていたのが印象的です。
このベンチャー企業の取締役の方がどの方なのかはわかりませんが、ボクもフリーランスの傍ら、一応ベンチャー企業の取締役ですので、ボクから言えることは「優秀な広告パーソンは『このマーケティング課題だったら、広告を使わなくても達成できますよ。ただ、こういう広告を打てばその数倍の効果を出せますよ』と伝えられる人材だ」と話します。
どう考えたって、それがビジネスでしょ。

そもそもですよ、イケダさんに倣って極論すれば、フリーランスばっかりになって皆が「これは無駄なんで削っちゃいましょう」なんてやってたら経済全体がシュリンクしますよ。極論ですけど。


ダラダラと書いてきましたが、多くのPVを稼ぎ影響力のある(であろう)プロ・ブロガーの方が、自分の知っている世界だけでそれを“即ち世の中”と当てはめてただの愚痴のようなブログを書くというのは、あまりにも浅はかなのではないか、自身の記事を読んだ人たち(特に社会に出る前の若者)にどういう影響を与えるか、ということについてあまりに無責任なのではないか、と思い、絡みついてみました。

ここまできて、なんか絡み方の方向性を間違えたっていうか、全然違う話をしている気もしてきましたが、とにかく「質の高い仕事をする人もいれば低い人もいて、それはフリーランスだから、サラリーマンだから、というレベルで区分けできる話では決してない」ということを言いたい。ってそんなこと本文で全然言ってなかったんですけど…。

最後に。
今回の件のブログを機に議論を巻き起こしたい…という目論見があったのであれば、イケダ氏の勝ち。