2012年12月11日火曜日

【雑談】邪魔にならずに特長を表現する演出(コールド・ストーン台湾HP)

セブンイレブンでコールド・ストーン・クリーマリーのカップケーキが発売される、というニュースを見て、ふと世界のコールド・ストーンのページを見てみたくなり、海外のコールド・ストーンから辿って台湾のページを開いてみました。

COLD STONE CREAMERY TAIWAN 酷聖石冰淇淋

ページを開いて何気なく見ていると、メニューが…

段々と凍ってくる。

凍って見えにくくなってくると、店員さんの手が出てきてロゴ部分をゴシゴシと。

しばらくすると全体もまた段々と元に戻り、これが繰り返される。


昔からよくあると言えばよくある演出ですが、大抵、演出が凝りすぎていてユーザーが操作を待たないといけなかったり、無駄な過剰演出であることも多い中で、特にこれはコールド・ストーンの特長(-9度の石板の上で作る)をよく表現しつつ、邪魔にならない(やり過ぎてない)演出で、「いいね!」と思いました。

HTML5とかで出来てるのかな、とちょっぴり期待しながらソースを見てみましたが、(残念ながら?)Flashで出来てました。

しかし、こういう、製品の特長を表現しつつ操作等の邪魔をしない、粋な演出というのは参考にしたいですね。

2012年10月25日木曜日

2012 Japan IT Week 秋 に行ってきたメモ

幕張メッセで明日まで開催されている「2012 Japan IT Week 秋」に行ってきたので、メモ。

スマフォ絡みで何かイケてる展示があるかなぁ、と思ったけど、目を引くようなものはあまり無かったような。注目のキーワード「BYOD」をプッシュしているのも1社ぐらいで、ちょっと期待ハズレでした。
とりあえず、ちょっと面白そうだな、と感じたサービスをメモ。

PITCOM

ピットメディア・マーケティングス株式会社さんが提供するコンテンツ生成ASP「PITCOM」。今回の展示の中で、一番いろいろと企画が作れそうで、個人的に最もグッときたサービスでした。
ユーザーが写真を投稿するとそれがモザイクタイルになる、というもので、実際に海外ドラマのキャンペーンなんかで今まさに走っているサービス。
担当の方の話だと「まだECでの活用はない」ということだったんだけど、共同購入とか、タイムセール的なものとか、ビジュアルに購入を促すような形でいろいろ活用できるんじゃないかなぁと感じます。いくつか企画を考えてみたい。ただ、ASPなのに価格帯が高いがちょっと難点…。

マンガマーケティング

株式会社シンフィールドさん。WEB×マンガで、CVRアップ・直帰率/離脱率改善・クリック率アップ等を謳われています。オモシロイ。230名以上のマンガ家さんが登録されているそうで、一発で「うまいとこ突いたなぁ」と感じたので、説明を受けることもなく、このサービスはハマるだろうな、と。あと、「お昼寝」とか「両親へ感謝を伝える」とか、ユニークな社内制度もオモシロイので、企業HPも一見の価値あり。

置き手紙

ジョーカーピース株式会社さんのGPSを利用した店舗向け集客サービス「置き手紙」。観光地の飲食店とかにあったりするような、お客さんが書き込んでいく訪問ノートをスマフォでやろう、というもの。たぶん。どうなんだろ。あとヒトヒネリしたら面白そうな感じがします。
(説明聞いてみようと思ったけど、誰も声かけてきてくれなかったので説明聞いてないのでちゃんと把握してません…。あと、Google検索で候補に表示される第2キーワードが気になっちゃう会社さんですね)

風評対策コンサルティング

シエンプレ株式会社さんの、悪評・風評対策。歩いてたらいきなり「御社の悪評はありませんか?」って呼びかけられたのが面白かった(笑)。

その他、気になること諸々

SEO対策業者さんも結構出展されているんですが、名著「閉じこもるインターネット」で指摘されているように、フィルターバブル(同じキーワードで検索しても、パーソナライズされた環境においてはボクが見ている検索結果とあなたが見ている検索結果は違う)におけるSEO対策ってのは、どうなんでしょうね?その辺、詳しく聞いておけばよかったな。

まとめ

「これは!」というようなサービスや製品との出会いはなかった。
あと、とりあえず、幕張メッセ、遠い。

2012年9月10日月曜日

【オフライン限定】Facebook人気者を気取れるブックマークレット

現実逃避したくなると、こういうしょうもなさ過ぎるものを作ってしまいます。
許してください。

詳細は下記ページで。
Facebook人気者を気取れるブックマークレット
(ブックマークレット作成:約1分、上記ページ作成:約30分。現実逃避にも程があるわ)


■合わせてゲンナリしたい
技術への名残り: Googleの資源を思いっきり無駄なことに使う(誰得の続き)

2012年9月2日日曜日

ノマドなITボーイが山リュックを使うべき3つの理由

久しぶりの更新ですが、休日ってことでちょっと別の話題をば。

快適なカフェやコワーキングスペースを渡り歩いて仕事するノマドなITボーイズ&ガールズ。同じ場所に留まることのないサスライの仕事人にとって、移動をいかにスムーズに、かつ快適に行うかは重要なテーマ。
そこで今日は、そんなノマドITボーイズ&ガールズに鞄についてひとつ、提案してみたい。



ノマドITボーイズ&ガールズよ、登山用リュックを使え。

急な天候の変化や険しい道が次々と迫り来る登山。そんな過酷な状況を快適に乗り切るために生み出され、作りこまれた登山用リュック。それを日常生活で使うとなれば、それは、F1カーでコンビニに行く、あるいはスーパーコンピューターでソリティアをやる、もしくはマイケル・ジャクソンがSMAPを踊るようなもの。
…微妙にどの例えも分かりにくいが、要するに「お茶の子さいさい」ってことが言いたい。


では具体的に、ITボーイズ&ガールズたちが登山用リュック・・・、いやここからはそれっぽく「ザック」と呼ぶことにしよう、このザックを使うべき理由を見ていこう。

1.暑い夏でも背中の汗からPCを守る

PCの大敵といえば、水分。しかし普通のザックを背負うとどうしても発生する、背中の汗。PCが入ったザックを背中に密着させて暑い夏の日差しを浴びながら移動しようものなら、ザックの中のPCは背中の汗によって傷んでしまいかねない。

そこで、この登山用ザックを見ていただきたい。

なんと、背負っても背中とザックの間に隙間が空くように作られている。背中に当たる部分はメッシュになっており、このメッシュとザック本体はワイヤーでしっかり距離を保たれているため、常にザックと背中の間には空気が流れる仕組みとなっている。
密着している状態と比べれば、この効果は計り知れない。
現に歩くことが好きな筆者は、仕事現場まで40分ほどかけて歩くこともよくあるが、密着型の(普通の)リュックを使っている時は背中のアツさに耐えられず、背負うのをやめて片腕で担ぐようにして持っていたのだが、このタイプにしてからは、背中がアツくなることもなく、ずっと背負いながら歩き続けられるようになった。



2.突然の豪雨、でも安心

夏の終わりの天気は、唐突だ。晴れていたと思ったら、急に雨が降り始めたりする。
しかしそれも、山では日常茶飯事。
突然の雨が降ってきたら、サッとジッパーを開けて、スポっとザック全体をカバーで覆ってしまえば雨がザック内に入り込んでしまうことは、まずない。

例えばこのタイプは、ザック最下部に収納されていて、大きなシャンプーハットのようになっているので、雨が降ってきたらこれを広げてすっぽりとザックに被せてしまえば、あっという間に防水完了となる。
ちなみにこのカバーはザック本体に取り付けた(繋げた)まま被せることができるので、何かの拍子にカバーが取れてしまっても、どこかに飛んで行ったり、という心配はない。

3.肩こり、腰にも優しい

モノにもよるが、今回紹介しているザックには、腰ベルトが付いている。この腰ベルト、知ってる人は知ってると思うが、あるのとないのとで、全く違う。
腰ベルト付きのザックを背負ったことがない方は、是非一度、お店に行って店員さんにお願いして体験してほしい。実際筆者も、お店で、自分のPCやら書籍やら書類やらをこのザックに移して背負った時に、腰ベルトパワーを実感した。
両肩と腰の三点で支えるから、通常より肩への負担が減って凝りにくくなるし、両肩への負担が軽減することで結果的に腰に真上からかかる負担も減って、腰にも優しい。

超腰痛持ちの筆者にとって、これは非常にありがたい作りだ。

おまけ)脱・運動不足

登山用に作られたザックなので、逆に日常生活のことなんてあまり考えらてはいない。特に、電車に乗ることは恐らく全然考えられてない。

このザック、電車でイスに座って膝の上に置こうとしても、全然収まらんのです。思いっきりかさ張る。かさばって、なんか隣の人とかに嫌な顔とかされて、つまりこのザックを持って電車のイスに座ってはいけない。

しかし逆に、ただでさえPCの前に座りっぱなしで運動不足になりがちなITボーイズは、電車に乗る時ぐらい立って、日頃の運動不足を解消することが出来ると考えれば、それはそれで運動を強制してくれるものとしてありがたい。

いや、まぁ、電車で立ってるだけのことを運動とか言ってる時点で全然ダメですけど。



その他、ペットボトルをホールドできたり、小物を収納するポケットや、引っ掛けておく紐が多かったりして何かと便利な登山用ザック。
実はノマドなITボーイズ&ガールズにピッタリなのではないか?と思ったので、今日はこんな記事仕立てにしてみました。気になった方は、是非チェックしてみてね。

ではまた!

ちなみに今回紹介した、ボクが使っているザックはこれ。


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2012年7月1日日曜日

[Visual Studio]HTMLを修正してデバッグ実行しても修正が反映されていない場合

ちょっとハマってしまったのでメモ。

VisualStudio2010を使ってWEBの開発をしていたら、なぜか、いつの間にか、(静的)HTMLを修正してデバッグ実行しても修正前の内容がブラウザに表示されるようになってしまった(仮に、このHTMLファイル名を[hoge.html]としておきます)。

で、ググるとキャッシュを消せとか言ってるんでIEの[インターネットオプション]からキャッシュを削除しまくったんだけど、状況変わらず。


IEオプションからキャッシュを消しても実は残ってたりする

というわけで、念のため、本当にキャッシュが消えているのかエクスプローラで確認してみる。
Windows7だと、IEのキャッシュフォルダはココ。
C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\Microsoft\Windows\Temporary Internet Files

このフォルダを見てみると、なんと、残ってるではないか、[hoge.html]が。
取り急ぎ、これをエクスプローラ上で削除すると、無事[hoge.html]の修正内容がデバッグ実行時に反映されるようになりました

この事象が発生する要因

原因はわかんないけど、何をしたら発生するのか、というのは分かった。
どうやら、VisualStudioでデバッグ実行中に該当htmlを修正して保存すると、Temporaryに保存されて、IEの[インターネットオプション]からのキャッシュの削除では消えなくなるようだ。
デバッグ実行中は、C#のソース(cs / cshtml)は修正しようとすると(当然)エラーが出て修正できないんだけど、htmlはシレっと修正出来てしまったりする。
でも、そうやって修正・保存してしまうと、今回の事象が発生してしまうらしい。
以前までこんなことはなく使えていた気がするので、何か設定がおかしくなってしまったのかもしれないが、とりあえず、今後のためのメモ。

2012年6月6日水曜日

Chromeを使ってるとPhotoshop5 が起動しない場合

たぶんそんな人いないと思うだけど、Windows7 に Photoshop5入れて使ってて、Chromeを使ってる時にPhotoshopを起動しようとすると起動画面のまま固まっちゃうよ(:_;)っていう場合、それはChromeオリジナルのPDF ViewerがPhotoshopとバッティングしているのが原因だから、ChromeでPDF見れなくてもいいや!っていう人はPDF Viewerを無効化すると幸せになれますよ。


PDF Viewerがバッティングしているって特定できたのは、今の開発現場の同僚との話からヒントを得て気づきました。ヒントっていうか、ほぼ答えだったけど。とにかく、多謝。

Chrome PDF Viewerを無効にする

Chromeのアドレスバーに「about:plugins」と入力、Enterすると、プラグインの一覧画面が表示されるので、「Chrome PDF Viewer」を見つけて、「無効にする」をクリックすればOK。
(キャプチャは、もう無効化しちゃってますけど)

2012年5月30日水曜日

【SVF】SVF for PDFラッパークラスの使い方

前回の続き。
前回紹介したラッパークラスには、DataTableを渡すとルールに従ってズバーッと出力してくれるメソッドを用意していますが、肝心のルールについて記載していませんでした。すいません。

帳票設定サンプル

SVF Designer で SVFの帳票定義ファイル(以下、様式ファイル)を作成するとき、DBから取得したデータをセットするフィールドは、以下のルールでフィールド名を付けます。

フィールド名と、データを取得するSQLの列名を一致させること。

この後で挙げるSQLのサンプルと合わせて見ていただきたいのですが、例えば上記のような様式ファイルを作成して、フィールド名は以下のように設定したとします。
商品名 PRODUCT_NAME
単価 PRICE
数量 NUM
単位 UNIT
小計 LINE_TOTAL

この場合、この様式ファイルに対してSQLは以下のように書きます。

出力するデータを取得するSQLサンプル

DBから印刷対象を取得するSQLのルールは、(様式ファイルのルールと同じことですが)取得結果を格納しているDataTableの列名が様式ファイルのフィールド名と一致することです。

例えばこんな風に、SELECT文の取得項目に対して「AS」で列名を(様式ファイルの定義に合わせて)定義します。
SELECT
    M.PRODUCT_NAME
    ,M.PRICE
    ,T.NUM
    ,T.UNIT AS UNIT
    ,M.PRICE * T.NUM AS LINE_TOTAL
FROM
    T_ORDER T
    ,M_PRODUCT M
WHERE
    T.ORDER_NUMBER = :ORDER_NUMBER
AND T.PRODUCT_ID = M.PRODUCT_ID

このように、様式ファイルのフィールド名と、データを取得してくるSQLの列名を一致させておけば、勝手にラッパークラス側でマッピングして出力してくれます。わぉ。

これちなみに、究極的にはDBのテーブルの列名と様式ファイルのフィールド名を完全に一致させておけば、
SELECT * FROM ~
でいけてしまいます。
あ、SQLの整形とC#用のコード化は、こちらをどうぞ(宣伝)。
「SQLフォーマッター For WEB」で整形したSQLをStringBuilder化するブックマークレットを作りました

ラッパークラス利用のサンプル

というわけで、とりあえずの使い方サンプルコード。サンプルなので、普通のMainメソッドを持つクラスです。

サンプルコード


DBからデータを取得してDataTableに格納する部分は「こんな感じで」っていうサンプルなので、DB無しで動きを確認したい場合は、以下を参考にDataTableオブジェクトを手動で作って試してみてもいいかと。
C#学習メモ)DataSetに手動で値を設定する方法(C#)


さて次回は、ASP.NET MVCにおいて、大量の帳票印刷PGを効率よく書くためのサンプルについて書いてみようと思います。

2012年5月28日月曜日

【SVF】SVF for PDFをC#で利用するならラッパー的なクラスを作るのが吉

ウィングアークさんが販売している(開発元はこっち)帳票作成ツール「SVF for PDF」を使った開発を行ったので、得たこと、知ったこと、Tipsなどを順次公開していきます。

対象読者

このシリーズ(シリーズ化するぞ!という気合を込めて)は、以下のような方々に少しでも役立てば…と願いつつ、時間があるときに少しずつ書いていきます。
  • C#、ASP.NET MVCについて基本的な知識がある方
  • SVFマニュアルのJavaサンプルコードは理解できたけど、さぁC#でどう作ろう?という方
  • SVFの技術情報はWEB検索してもほとんど出てこなくて、毎回サポートに問い合わせないとダメだから面倒!という方

開発・実行環境

WEBサーバーOS Windows Server 2008
WEBサーバー IIS 7.5
APフレームワーク ASP.NET MVC 3
帳票サーバーOS Cent OS 5.6
帳票サーバーJVM Sun Java SE 6
SVF SVF for PDF 9
IDE Visual Studio 2010
※当然DBもありますが、SVFとDBが直接触れることがないので(DataTableクラスとかを対象にするので)割愛。


C#でSVFを利用するならラッパークラスを作れ

C#で SVF を利用するには、(当然ながら)SVFのDLLを参照設定してやります。
で、ここに含まれるAPIをC#から直接呼んでもいいんですが、厄介なのは、APIの各関数が終了状態を戻り値として返してくるってところ。
せっかく素敵な例外機構を持っている言語で利用するのであれば、やっぱり呼出元でちまちま戻り値判定するよりは、サクっと例外処理でまとめてしまいたいですよね。

というわけで、API側でエラーになった場合は例外をスローする、というラッパークラスを用意しておくと便利です。

また、関数によっては「エラー」コードと「警告レベル」のコードを返してくるものもあるので、例えば「警告レベルのものは無視しておk」みたいな設定もラッパークラスに対して行えるようにしておくと、さらに便利ですよね。ね?

さらに、DBから取得したデータを保持させているDataTableオブジェクトをポイっと渡せばルールに従ってズバーっと出力してくれるようなメソッドがあると嬉しいですよね。ね?

サンプルソース

上記の要件をまとめたのが、こちらです。
(例によって宣伝も兼ねてCode 2 HTMLにて公開)

サンプルソース

このサンプルソースでは、新たに作成したSVFExceptionという例外をスローするようにしています。
取り急ぎ試したい方は、これを全部普通のExceptionクラスなりに変更して使ってみてください。
(ちなみにAPI内部で致命的な例外が発生した時は、SvfrExceptionだったかな?そんな名前のExceptionがDLL側から投げつけられます)

で、このクラスを使う側のサンプルコードですが、それはまた次のエントリーで…。

2012年5月27日日曜日

【読書】デザインの輪郭

デザインの輪郭 最近はWEBアプリにしろスマホのアプリにしても随分とUI/UXが重視されるようになっていて、昔からPCのシステムやアプリの画面の使い心地の悪さをどうにかしたいな、と思っていたボクにとって、この流れはとても自然だし、ほとんどの人がやはりそう思っていたから、そういう潮流になっているんでしょう。

ただ、自分が日頃目にしているシステムやアプリの画面を見ていて、以前に比べて洗練されているとはいえ、それでも、生活の中で心地良く使うような椅子や時計や靴などのプロダクトに比べてまだ使い心地が自然じゃないような気がして(※)、ではその違和感というか、自分が考えているものとの距離は何なんだろう、と思い、デザイン論の本を読むことにしてみた。
(※その点、facebookはデザイン会社を買収しながら絶えず細かな修正を行なっていてスゴイと思う)

そこで選んだのがこの本で、2005年発刊なので少し古いけど、結果的に、個人的にはものすごく大当たりな本だった。
現に、ボクと同じような感覚で引っ掛かりがありそうな何人かの方には強くお勧めしたし、読書好きな恩師に、おこがましくも送りつけたりもした。


この本の、何がすごいかと言うと、著名な現役工業デザイナーである著者、深澤直人氏の、とても感覚的で観念的で抽象的なデザイン観が、丁寧に紡ぎだされた言葉を重ねていきながら、見事に読み手の中に植え付けてられてしまうところ。


正直に言うと、デザイン論本を本屋で物色している中でこの本を手に取り、冒頭を立ち読みしている時は、あまりに観念的な話で頭の上に「?」がたくさん並んだんだけど、それでも著者自身が冒頭、「はじめに」の出だしで
これは、私のひとり言のようなものである。
デザインという抽象を語るときには、私と読者がひとつの像を共有しておかなければならないと思った。さもないと私の言葉はあまりに観念的で、しかも脈絡なくあちらこちらに飛び回るので、読者を混乱させてしまうと思ったからだ。
と始めてくれており、とても丁寧に語り進められるので、読み手としても感覚的に読み進めてもいいのかな、という感触のもと、合間で具体的なプロダクトの例や学生のワークショップで教える時の話、俳句、写真家との対談などもあったりして、実のところスイスイと読んでしまうことが出来た。

スイスイと読み終えた結果、自分が漠然と感じていたことが少しクリアになり、かつ第一線で活躍する現役デザイナーのデザイン観を感じ取ることができ、読後感が非常に気持ち良い。さらに、その状態でもう1度最初から読みなおしてみると、「ははぁ、う~ん、なるほど!」と、一読しただけでは「?」だった部分が急に納得ポイントになっていたりする。

これからもボクはいろいろとアプリやシステムを作っていくと思うんだけど、本書で得た知見、感覚は、間違いなく役に立つと思う。
この本、引用しながらの感想文はとても難しいので、印象的な文章をいくつか抜き出しておくにとどめます(たぶん、読む度に抜き出すポイントも変わってくるんだけど、とりあえず)。

P.16「01 デザインの輪郭」
デザインの輪郭とは、まさにものの具体的な輪郭のことである。それは同時に、その周りの空気の輪郭でもあり、そのもののかたちに抜き取られた、空中に空いた穴の輪郭でもある。その輪郭を見いだすことが、デザインである。周りの空気とは環境のことで、それは人やものによって成っている。デザインの輪郭を見いだすということは、ものの輪郭をみるというよりはむしろ、環境の穴の輪郭を見いだすといった方がいいかもしれない。

P.26「02 選択圧」
デザインは、生き残るということが目的ではない。製品をできる限り長く生き続けさせるためにデザインをするということは、力の誇示ともとれる。その境遇における調和したものの立場が持続すれば、結果として長く生きることはある。他を生かして自ら朽ちることをよしとすることも、デザイン上の配慮である。デザインをつくり込むということは、そのものが生きながらえる安定した調和を邪魔する要因を取り除いていくということである。適合度(Fitness)を高めるということである。すべて、状況における調和である。

P.32「03 張り」(この項はとても重要)
張りは、輪郭の力のことです。

P.45「04 考えない」
幅七ミリ程の目地と同じような溝を、玄関の隅に壁から10センチ程離して壁と平行に引けば、傘立てになると思った。訪れた客は傘立てらしきものが見当たらないので、その溝に傘の先をあてて立てるだろう。私は傘立てをデザインし、客は結果的に傘を立てるという目的を達したことになる。しかし、そこにはよくあるような、円筒のような傘立てらしき物体の存在はないということだ。デザインは存在し、目的も達しているが、物体は消える。これは「行為に溶けるデザイン」ということだなと思った。

P.59「05 行為に溶けるデザイン」
最初に見たときに、そのかたちの意味がよくわからないというのがいいと思う。何かあたりまえのことをしていて、それが立ち現れてきたときに、「あれ?」・・・「!」となるのがいい。もちろん本当にそのものが溶け込んでしまっているわけだから、その存在すら気づかずに通りすぎてもいい。意識の中心に置かれるものは、気づかれることを目的にしているわけではない。気づいた人はちょっと微笑み、気づかなかった人は行為が止まらず流れていくということでいい。

P.88「07 ふつう」
買うときと使うときでは、また違うんです。人はものを買うときの期待値としては、ふつうを求めていないんです、わざわざお金を払うからです。でも生活に戻ったときに急にふつうを期待するわけですよ。結果的に生活の中に個性的で、突出したものがあふれるんです。自分で選んだのに。「ふつうのものを探すのが大変だ」という声をよく聞くじゃないですか。ないんですよ、そういうものが。だから僕は、ふつうのものをつくりたいと思ってしまうんです。

P.103「08 そのものの周り(外側を見る)」
小泉 僕は、レンズとものの間の空気を撮りたい。(中略)そのものを見ると、そればっかり撮りたいという気持ちになりがちですが、でも実際にはこの間(ま)があって、それがこのものをよくしていたりすることがあるんです。
深澤 見えてないんだけど、間が見えるといい。
山口 俳句でいわれたのは、いいたいことをいうのではなくて、いわないことをいうために17文字を使うんだっていうこと。17文字でいえることではない、17文字以外のことをいうために、17文字を使うんだといわれたことがあって。

P.196「26 アイデアとエクスキューション」
デザインというのは、アイデアとエクスキューション(出来映え)の両方が揃ってできることです。

アイデアは寿司で、エクスキューションは醤油のようなものです。
寿司を食べていると思っても、醤油がないと料理として成立しない。
本当は醤油がデザイナーの力だということです。
寿司の味を引き立てても表には出ない。

P.217「情報と経験」
礼儀がないとか、マナーが悪いとか、だらしないとかいうことは、
精神的なことよりも、関係性が見えない、
インタラクションの欠如だと思います。
相手が動いたらこう来るというような。自分がやったことに対して、周りの環境がどう変化するかということのセンサーがまったく働かない。
タバコを吸っていて、
後ろを歩く人は煙たいということがわからないことのように。
音のうるさいバイクのように。
インタラクションの欠如はインテリジェントに見えない。
センサーが弱いんです。

デザインも同じで、環境に対して、
この机はどうあればいいのかということは
経験から割り出されてくるものです。
それによって「このテクスチャーがいいよね」と決まっていく。

P.281「39 もてなすということ」
手をできるだけ加えないようにするということは、掃除したときに、きれいすぎるときに客をよぶということは失礼な話で、掃除してそれが少し落ち着いてから来ていただくとか、そこまで考えてないといけないみたいな、たまたまそこに水を打って、それが乾き始めた頃にお客がちょうどみえるとか。タイミングをケアすること自体が、人をもてなすということだから…。

P.282「40 自分を決めない」
自由であるということは、細胞しか鍛えていないということです。
何をするためにその筋肉を鍛えるかじゃなくて、
単に「鍛えている」ということです。
そうすれば、どんなゴールにでも行ける。


デザイナーさんだけじゃなく、モノをつくる人、企画する人にお勧めの一冊。

「デザインの輪郭」深澤直人(著)/2005年
デザインの輪郭

2012年3月27日火曜日

「SQLフォーマッター For WEB」で整形したSQLをStringBuilder化するブックマークレットを作りました

適当にダラダラと書いたSQLをキレイに整形してくれる、ATLさん作成の『SQLフォーマッター For WEB』をボクはすこぶる愛用しているのですが(いくつかフォーマットツールを試したけどこれが一番使いやすかった)、結局整形した後のSQLをC#などのソースに貼りつける時にStringBuilderとかにしてやんないといけなくて、毎度置換するのが面倒だったので、だったらってことでStringBuilder化するブックマークレットを作りました。よかったらどうぞ。
※ChromeとFireFoxでしか動作検証してません


■C#版
StringBuilder(C#)


■Java版
StringBuilder(Java)


インストール方法

Chromeで説明します。
上記リンク(ブックマークレット)を、Chromeのブックマークバーにドラッグ&ドロップして追加してください。


使い方

まずは、SQLフォーマッター for WEBでSQLを整形し、作者さんに感謝します。


無事整形されたら、ブックマークバーに追加したコレを押します。


無事、StringBuilder化されたら全選択した状態になるので、そのままコピーしてC#等のソースに貼りつけて、私に感謝します。


うまく動かなかったときは、その旨、こっそりコメント欄等で教えてくれると、私があなたに感謝します。

いずれにしろ、SQLフォーマッター for WEBへの感謝は忘れないようにしましょう。

まぁ、そんな感じで。
※JavaだったらEclipseプラグイン(DBViewerとか)使えばいいんすけどねー

2012年2月8日水曜日

もう「8億4500万人すべてが“活発”ではない」なんて言わないよ絶対

まどろっこしいタイトルですいません(世代的に、わかる人はわかりますよね、このタイトル)。
というわけで、釣り記事のタイトルに思いっきり釣られてみようと思います。

たまに読んでるJBPressで「フェイスブックのユーザー数、実際はもっと少ない? 8億4500万人すべてが“活発”ではないという事実」という釣り色全開なタイトルがあったので読んでみたんですが、要約すると

(facebook.comドメインのページにアクセスしてなくても)『いいね!』(Like)したらFacebook社はアクティブユーザーとみなしていて、そのユーザー数は広告メディアが出す数字としては不適切だ、と米ニューヨーク・タイムズが述べているし、米ピュー・リサーチ・センターは、ユーザーの情報の発信と受信のバランスが不均衡だ、と言っているが、両社は、パワーユーザーの存在が有効、など肯定的な見解も示している。

というわけで、結局何が言いたいのかよくわからない記事でした。

読む人が読めば突っ込みたいところがいろいろ出てくると思うんだけど、特に引っ掛かるところは「過去1ヶ月以内に「いいね!」ボタンを押したユーザーはアクティブユーザーとは言えないだろう」という論調のところです。

言うまでもなく、facebookのスゴイところ(の1つ)は多くのWEBサイトにまたがって「いいね!」(Like)ボタンのプラットフォームを構築したことにあり、そのインフラが整備されたお陰で、新しい情報の流れが生まれ、ある種Googleでも適わないような情報流通構造が確立しました。それにより、多くのサイトやリアルな社会に大きな変化が起きましたよね。
そのプラットフォームを構築したプラットフォーマーが、自身の重要なサービスである「いいね!」ボタンを使った人をアクティブユーザーと呼んで何が悪いのか?と思うんです。

JBPress記事(というか米ニューヨーク・タイムズの記事)の論調としては、「だってfacebookのサイトに訪問してくれなきゃ広告見てもらえないじゃん?マーケティングにも使えないし、ダメダメ」ってことなんだけど、これこそまさに旧来型メディア企業の考え方で、「広告クリエイティブをセグメントされたユーザーに見せつけることがマーケティングだ」とか訳のわからんことを言い出すんでしょう。そんな人は、(今回の件と主題は違うけど)これとか読んでみるといいと思います。

FacebookのIPO申請書類を読めば佐々木俊尚氏が100%間違っていたことが確認できる ユートピア的な幻想の怖さ - Market Hack

読んでいただくとお分かりのように、Facebookにとって重要なのはサイト訪問者数ではなく、あらゆるサイトに自社サービス(「いいね」「シェア」等)を仕込んでfacebookプラットフォーム上に蓄積し、それをユーザーを介して繋げていくこと、ですよね。というわけで元記事は最初から論点がズレてると思うんですよ。

もう、こういう批判屋的な釣り記事を出すのはいかがなものかと思いますよね。
って思いっきり釣られといてアレですが。


あとついでに、ボクのニュースフィード上にも結構な数が出てきてもはやウンザリしてきてるんですが、診断系アプリ。これから「ウチも流行の診断系アプリ作ってバズっちゃうか!」とお考えの方は、こちらをお読みいただき冷静になってください。

ブランドイメージを傷つける間違いだらけのFacebookプロモーション(ASSIOMA)


よろしければ、こちらも。
TECH SE7EN : Facebook、IPO申請書類に添付されたザッカーバーグの手紙全文

あらためてもっと知りたければ、こちらも(Amazonへのアサマシリンクです)。
フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)
読書感想文はこちらです。


気付けば2012年、最初のエントリーでした。
今年もよろしくお願いいたします。