2010年12月1日水曜日

切手を買って感動してマーケティング成立

急ぎ書類を印刷して送付する必要があったので、仕事現場に向かう前に自宅のプリンタで印刷して封筒に入れた。切手は自宅に常備していないので、仕事場近くのコンビニでお昼休みにでも買って、その場で貼ってから出すことにした。

仕事現場のすぐ近くにサークルKサンクスがあるのはチェックしてあったので、お昼休みに封筒を手に持って行ってみた。その店舗は見るからに狭く、間取りのせいかコンビニにしては全体的に暗い印象で一度も行ったことはなかった。
入ると幸い店内にお客さんの姿はまばらで、レジも空いていたので直行して、高校生ぐらいの息子がいそうな女性店員さんに「80円切手はありますか?」と尋ねた。店員さんは「ありますよ~」と手際よく80円切手のシートをバインダーファイルから取り出した。そして、ボクが手に封筒を持っていたのをいつの間にかさりげなくチェックしていたのか、何も言ってないのにシートから80円切手を1枚切り離し、そのままレジ台に置いてある切手貼り用のスポンジの上にその切手を置き、そこでようやく、「80円です」と。

つまり、「いま手に持っている封筒に今すぐ貼って投函するために切手を買いに来たんですよね?さぁどうぞ、後は貼るだけです」という状態になっているのである。

「なんて気が利く店員さん!」
と、なんだか嬉しくて思わず微笑んでしまった。いや、実際に表情として微笑んでいたかどうかはわからないけど、間違いなくその時、心は微笑んでいた。

小銭を持ってなかったので1,000円札を渡し、スポンジの上から切手を取って封筒に貼り終える頃に自然にお釣りを渡してくれる。あまりに自然な気の利いた動きに、それが普通なのかもしれないけど、でもちょっと感動すらした。


コンビニの店員さんと言うと、良くも悪くもマニュアル化された動きが普通で、何ならボクらもちょっとその無機質な対応に場合によってはホッとしたりするところもあったりするわけだけど、一方で、田舎のコンビニの気さくに喋りかけてくれるオーナー店長のオッチャンとか、お釣りを渡す時に手をぐっと握ってくれる女子とか(笑)に心和むこともまた事実。

感動は「事前の期待とのギャップ」によって生まれる、というのはマーケティングをかじったり、イベント企画好きな方はよくご存じかと思うけど、まさしく今回はこのギャップによって、感動と言うと大げさかもしれないが、確かにボクはハッピーな気持ちになった。
そして、この1件によって、「駅から現場までの道中に3つほどあるコンビニの中で、今後はこのお店を使おう」とボクに思わせる・・・つまり結果としてマーケティングに成功にしているのだ。


田舎のオッチャン店長や、手を握ってお釣りを渡してくれる店員さんの例は、「コンビニ店員は無機質なもの」というお客さんの意識に対して「人間味ある店員さん」という部分のギャップがホスピタリティの面に訴えかけるし、今回のサークルKサンクスでは「店員はマニュアル通りに動くもの」という意識(事前期待)に対して「先読みして適切にサービスを提供してくれた」、というギャップが感動を生んだ。


基本だけどやっぱり「事前の期待」を把握して、「常にそれを超える」ことがとても重要だと実感。
逆に「すごいことが出来ます」と宣伝しておいて「実際には大したことなかった」となると、ユーザーは「裏切られた」と感じて最悪な評価になるわけだけど、ついやっちゃいますよね、これ。
だって何とかお客さんの目に留めたり気にかけてもらおうと思ったら「出来る限りよく見せよう」と意気込んでしまうのが普通ですから…。
そこをうまくやるのが口コミマーケティングとかソーシャルなマーケティングになっていくんでしょうが、元来コントロール出来ないものをコントロールしようとするんだから、だから、なかなか難しい。最初の設計とブレない指針、マメなアプローチ。これ大事。

どうやって知ってもらって、どうやって感動を生むか、ここのバランスは本当に難しい。


なんだかんだ書きましたが、何よりもまず、自分も人に感動を提供できるように頑張らなければ・・・と自身を戒めている毎日なのであります。頑張ろ。

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